河瀬直美監督にカンヌ「黄金の馬車賞」

 フランスで開催中の第62回カンヌ国際映画祭で、映画祭に貢献した監督をたたえる「黄金の馬車賞」が14日夜(日本時間15日未明)、河瀬直美監督に贈られた。

 授賞式では河瀬監督が満場の拍手に迎えられて登壇。金色の冠を受け取り、「今晩はこの素晴らしい賞に酔いしれるが、明日からは映画作りの初心者、赤ちゃんに戻って世界に残る映画を作り続けたい」と語った。

 式が行われたのは「監督週間」の上映会場。1997年に河瀬監督がカメラドール(新人監督賞)を受賞した「萌(もえ)の朱雀」が上映されたのも同じ会場だっただけに、「12年前にこの場所に立ったのを思い出す」と感慨深げだった。

 この日は「ある視点」部門に出品された「空気人形」も公式上映され、是枝裕和監督や主演のぺ・ドゥナさんらが観客の拍手に応えた。



 フランス南部コート・ダジュール沿いの都市カンヌで開かれている世界で最も権威のある国際映画祭・「第62回カンヌ国際映画祭」が13日開幕した。早々と河瀬直美監督にフランス映画監督協会の功労賞「黄金の馬車賞」が贈られ、日本映画の素晴らしさを世界が認めてくれているのだろうと嬉しく思っている。この賞は独創的な映画監督をたたえる目的で2002年に創設され女性では始めての受賞だそうである。


 そうそう、「殯(もがり)の森」が審査員特別大賞「グランプリ」を受賞したのは2年前の第60回であった。この作品がNHK・BSで受賞の2日後放映されたの粋なはからいとかぶりついたが、NHKエンタープライズが製作協力した関係と知ったのはずっと後であった。今回、河瀬監督の息子も5歳になりお母さん業も忙しいと思うのだが、何か輝いて美しくなったように思うのは充実しているからだろう。

 
 映画祭は始まったばかりで、12日間というのは短いが他の作品もどれが選ばれるのか楽しみでもある。



河瀬直美公式サイト
http://www.kawasenaomi.com/