嫌な事件に思う


 2年前の今日、5月17日、「愛知県長久手立てこもり発砲事件」が発生した日である。男が元妻を人質に取って民家に立てこもり、警察官1人が殉職、男の家族と警察官1人が負傷し、解決までに約29時間かかった事件である。当時23歳の県警特殊急襲部隊(SAT)隊員林一歩(かずほ)警部の家族はどうなったのだろうと思うわけであるが、家族にとってはいまだ事件は終わってない。


 あの事件では愛知県警の強硬策が遅れた対応について非難をあびたが、体質は変わっていないような気がする。5月2日に起きた「愛知・蟹江の親子殺傷事件」も今だ大きな進展は無いようである。この事件でも、母親は自宅にいたのに1日行方不明になっていたし、警察が現場に行ったとき不審者は家の中に居たことを直ぐに発表しなかった事など素人でも腑に落ちないことが多いのである。


 長久手では見える敵であった、そして蟹江の事件では見えない敵である。どちらも初動捜査・初期判断が大きく解決に左右していると思うのである。警察は新型インフルエンザのウイルスと戦っているのではない。悪人という集団の中から、犯人を捕まえようとしているのである。捜査が長引けば長引くほど次の犠牲者が増えるのかもしれない。早く犯人を捕らえて欲しいと警察に手を合わすばかりである。