西日本高速道路 橋脚事故

建設中の橋桁が落下し、10人が死傷した新名神高速道路・有馬川橋。長さ124メートル、重さ1350トンもの構造物が落下するという事故は、なぜ起きたのか。22日夜、会見した西日本高速道路関西支社(大阪府茨木市)の幹部は「現段階で原因は分からない」と繰り返した。


 事故があった現場では「送り出し工法」という橋の片側から、橋桁を渡してゆく手法が用いられていた。橋の下に道路などがあり、クレーンの設置が難しい場合などに採用されるといい、同支社の村尾光弘支社長は「一般的な手法で、安全性は確立されている」と強調した。

 工事の進捗(しんちょく)は「6〜7割程度」。すでに橋桁は渡し終わり、ワイヤでつったり、ジャッキで支えたりしていたという。今月30日には橋桁を約7メートル降ろし、橋脚への据えつけを計画。この日は、その準備作業として、橋桁を支えていた「ベント設備」の解体などをしていたという。

 会見では、考えられる原因についても何度も質問が及んだが、里深一浩・建設事業部長は「写真で確認しているだけで、推察できる状況にない」などと言及を避けた。具体的な作業内容についても「確認できていない」を繰り返した。

 事故のあった区間は予定を2年前倒しし、2016年度の完成を目指していた。工期の短縮が与えた影響について「現場としては厳しさもあったと思うが、この区間については標準的な進捗」と否定。完成時期への影響については「間に合う可能性があれば」と明言を避けた。送り出し工法で同様の事故は「過去に記憶にない」と里深部長。村尾支社長は「事故を重く受け止めている。専門委員会を設置して原因を究明し、対応を取る」と繰り返した。

 亡くなった工事関係者の方の冥福をお祈りします。

 怖い事故であるが、長さ124メートル、重さ1350トンもの構造物が一般道に落下したのに、工事関係者以外のけが人がいなかったのは不幸中の幸いである。 でも、原因がわからないという事では済まされない。原因はわかっているが、発表できないという事が真実であろう。高い所から固定していないものが落ちるのは当たり前。そんな作業の下を一般人が通ることが異常と言える。橋脚工事を見直すべきで、同じ工事は中止するか、下を通ることを廃止しなければならない。
だから原因はうやむやにしておこうと、暗黙の了解なんだろう。ひどい話である。