龍の瞳

 岐阜県下呂市で生まれた米「龍(りゅう)の瞳(ひとみ)」が熱い視線を集めている。自然の突然変異で登場したが、県外に広く知られるまでに成長し、飛騨地方の稲作再生への夢も膨らむ。人気の秘密を追った。

 「龍の瞳」は下呂市萩原町宮田、元東海農政局職員今井隆さん(52)方の水田で8年前に見つかった。コシヒカリの稲の中に背の高い2株があるのに気づいた今井さん。種もみを翌年植えたら、太くて力強い株が育った。

 粒はコシヒカリの1・5倍もある。「一粒一粒が輝き、甘さと粘りは別物だった」。稲の倒れにくさも栽培に適している。ほれ込んだ。4年前から量産と育成に乗りだし、専念するため昨年3月に農政局を退職した。

 名前は「稲作に欠かせない水の神様である竜神と瞳のような粒」から付けたという。

 団体や個人でつくる「龍の瞳」の生産組合と契約する形で生産。昨年と一昨年には全国的なコンテストやコンクールで頂点に立ち「大粒で存在感があり、ソフト感やのどごしはコシヒカリを上回る」との評価を得た。

 組合加盟数は当初の8から約60に増え、昨秋の収穫量は約100トン。出荷先も岐阜県から名古屋、大阪、東京などへ広がり、視察に来る生産者もいる。

 今井さんが目指しているのは、地域の水田再生と自然の生態系を壊さない米作り。方向性は生産者の意識にも浸透している。

 過疎が進む飛騨地方は耕作放棄が深刻。生産意欲を高めるため、組合加盟者から買い上げる価格を一般品種より5割ほど高くした。

 その1つ、農業生産法人「まんま農場」(高山市上宝町)も休耕田を借り上げて栽培。「安全でおいしい米作りにこだわりたい」と意気込む。

 「龍の瞳」は低農薬栽培だが、今井さんは「まだ発展途上」と無農薬を研究。その先に「龍の瞳」の利益を資金に山へ広葉樹を植える活動を思い描く。

 「山が豊かになれば川や水田の環境も良くなる。自然を再生し地域の魅力を高めたい」(中日新聞:3月29日)



 今日もテレビで取り上げられていた。なにか相当おいしそうなお米である。

 まだ食べた事は無いが、岐阜県下呂市の農家である今井隆さんは自然界に偶然出来た突然変異を見逃さなかった。元東海農政局職員と言うこともあり米に関しては深い知識があったのだろうが、感性豊かな人は見逃さない。

 普通のコシヒカリより1.5倍も大きく、粘り・香り・甘みがあると言う、第8回全国米・食味分析鑑定コンクール金賞受賞米というのだから味に間違いは無いようだ。

 早く食べたいものだ。