三重大会 7月13日の試合を振り返る


 いや〜、昨日も暑かったですね。ジリジリと刺すような日差しは、球場の温度計の35度を越える勢いだった。夏の大会は子供たちも必死である、残酷だが負ければ野球部に居られない、後輩にバトンタッチの日でもあるからだ。勝って喜ぶ選手の反対側には必ず、涙で応援者・父兄・後輩に挨拶する姿が見受けられる。すなわち今が65校の涙の上に立つ優勝高1校を決める道程の真っ只中という事だ。


昨日の見所は4試合を上げたが、結果は次だ。


すごい試合であったが、振り返るとまだまだ名勝負はあった。 

  • 紀南6− 上野7
  • 稲生0− 皇學館1 

 

ちょっと私なりにの偏見で振り返ると

前日春季大会4強の久居農林を10-4で下した木本は、右腕西の立ち上がりに得点を得られず名勝負を見せたものの、1点差で敗退した

 いなべ総合の名将・尾崎監督が集めた精鋭をしても、天栄中学出身白子のエース杉本徹君にやられてしまった。杉本君は要所要所を兎に角落ち着いて決め、7回裏には一三塁の場面でスクイズを決め、値千金の1点を物にした。きっと名将・尾崎監督の想いよりも白子の宮本健太朗監督の想いが勝った様な気がした。

  • 県営松阪球場 二回戦  松阪工−近大高専

 やはり実力の差が大きく、名試合とはいかなかったのが残念である。

 この試合は乱打戦になってしまった。津田が前半得点したものの日生第二の打線に負けたように思うがそうではない。熱い中6回まで好投したエース堀川の継投が少し遅かったように思う。津球場の暑さは異常であり、両チームで21点を叩いたエネルギーはすごいものがある。5番仲條リチャード聖也の活躍は次の試合でも見れるわけである。

  • 県営松阪球場 二回戦   紀南 −上野

 この試合は番外である。あまりにも良い試合で追加してみた。昨年はシード校である皇學館を倒した紀南であるが今年もシード校である上野に食らいついた。中盤6回表までは5点差で勝っていたが、上野もシード校の意地、6回、7回で2点、4点と逆転。紀南は9回に1点戻し同点。延長戦を物にした四球押し出しを得たシード校の上野であった。紀南に拍手である。

  • 伊勢市営球場 二回戦   稲生−皇學館

 この試合も番外である。皇學館の岡部博英監督は鳥羽市立鏡浦中学校出身の山本雄大君1年生をエースに持ってきた。もちろん2年後の甲子園を狙っての事であるが、完投させるとは執念である。そして9回まで0を重ね、打たせて取るという固い守りのチームだからこそ出来る技であった。そして最終9回裏サヨナラで皇學館が決めた。
  岡部博英監督は皇學館大学野球部の主将経験があり、星稜高校(石川県)の山下智茂監督のもとで、コーチに就任。その後、宇部鴻城へ移り就任5年目での甲子園出場を果たした名将である。彼は1968年(昭和43年)生まれであるから40歳であろう。彼の頭の中には2年後に甲子園という命題があるようだが、球道即人道という言葉は胸に染みるのである。