一人暮らしのお年寄り招く 小学生が給食交流 

【伊勢】伊勢市一志町一丁目の市立厚生小学校(奥本謙造校長、児童数四百十七人)で十七日、同学区に住むお年寄りを囲んでの昼食会があり、三年生約三十人がお年寄りとの交流を楽しんだ。

 三年生の総合的な学習の一環として続けて今年で十九年目。一年間を通してお年寄りと交流を深め、子どもたちに相手を思いやる気持ちや自分たちのできることを身に付けてもらおうと、四月から写真付きの自己紹介を伴った招待状を作るなど、準備を進めてきた。

 児童らはこの日、学区内に住む一人暮らしのお年寄り二十九人を校内ランチルームに招いて、チキンライスや野菜スープなどの給食を会食。代表で毛利章人君(8つ)が「わくわくどきどき、うれしい気持ちでいっぱい。これからずっと仲良くしてください」と言葉を贈り、手作りしたうちわのプレゼントやゲームなどを通して親交を深めた。

 参加した同市一之木五丁目の中世古さかえさん(86)は「一人では寂しいけど、にぎやかだからご飯もおいしい。毎年この時期楽しみにしている」と笑顔を見せていた。

 この日は来賓として森下隆生市長も出席した。


いい話だ!

 この厚生小学校はJR伊勢市駅を降り、外宮さんに向かって歩く途中を右に入った静かな所にある学校である。児童数も400人だから、そこそこ大きな小学校といえるだろう。


 児童数が減って老人が増える中、地域では登下校に老人たちが横断歩道に立ち、子供たちの安全を確保したする光景をよく目にする。交通安全だけでなく、不審者の地域への侵入自体を防止する事も地域の先輩たちの大切な役割である。
 学区内に住む一人暮らしのお年寄りを市が招いたとしてもお年よりは嬉しくないだろう。地元の小学生に招かれ、給食を食べる事を毎年楽しみにしていると言うことが大切である。弱い子供とお年寄りが思いやりの心で接する事を思うと年老いていく人生もまんざらではないと思うのである。


 この情報は伊勢新聞が取り上げているが、地方の暖かいニュースは小さな地元新聞社が伝えると益々身近に感じてうれしい気分にさせてくれる。