カンヌ国際映画祭///「ある視点部門」

 第61回カンヌ国際映画祭にて現地時間16日夜、元ボクシング世界ヘビー級チャンピオン、マイク・タイソンの半生を追ったドキュメンタリー映画『タイソン』が「ある視点部門」で上映され、タイソンが舞台あいさつに駆け付けた。この日のタイソンはいつもの暴れん坊を封印し、スーツに白のポケットチーフをしのばせたジェントルマン仕様。司会者に名前を呼ばれてステージに上がると、観客からスタンディングオベーションを受けた。


 いやいや、今年のカンヌ映画祭コンペティション部門に出品の日本作品が無いので寂しい思いがする。おまけに、芸術性の高さと、新人監督を数多く発掘してきたことでも有名な”ある視点”部門でも、黒沢清監督の『トウキョウソナタ』だけだというのはなんと言うことであろう。『トウキョウソナタ』にしてもドキュメンタリー映画『タイソン』と同じ土俵で、タイソンパフォーマンスに負けていたのでは非常に腹がたつ。
    

 日本映画界、巨匠 黒澤明がいなくなって以来、金がかからない映画つくりに専念し、テレビドラマ化していることに危惧しているのは私だけであろうか。ちなみに黒沢清監督は黒澤明氏との血縁は無い。