キラーパルス(killer pulse)


 今回の能登半島地震で日本家屋の在来工法の倒壊が目立ったが、それにはキラーパルス(killer pulse)が影響していると言われている。


 地震波にはP波とS波がある。地震が発生しまず最初にやってくるのがPrimary wave (第一波)と呼ばれるP波である。進行方向に平行に振動する弾性波で固体・液体・気体を伝わる。速度は岩盤中で5〜7km/秒。
 この次に来るのがS波 Secondary wave (第二波)とよばれるもので、進行方向と直角に振動する弾性波である。固体を伝わるので速度は岩盤中で3〜4km/秒。すなわちP波が縦波でS波が横波である。


 S波が震源地から到達し、周期約1〜2 秒の横揺れが建物の固有周期と共振しやすく壊滅的なダメージを与えると言われる。これがまさにキラーパルスで、横揺れに関して基礎がゆれだして屋根まで横揺れが伝わるまでの時間に基礎は反対に動きだすので破壊力が倍に増幅する。ましてや日本家屋には重たい屋根瓦がバランスの悪い一番高いところに設置させており、柱も粘りの無い外材を使用したり強度が弱くなった古いものも多い、もちろん古い建物だったら筋交いも少ないので倒壊になるわけである。


 今回の地震を教訓に古い建物は各公共団体や建設部建築指導課などの耐震診断を受けることが大切かと思うわけでして、あくまでも悪徳商売に引っかからないように十分気をつけたほうが良いかと思います。被害にあわれた方々の一日も早い復興を祈る次第です。

http://www.max.hi-ho.ne.jp/lylle/flash/ps_wave.html