三重代表/いなべ総合学園、ワンプレーで流れ逃す

 初出場のいなべ総合学園は集中打に屈した。三重の四日市工を率いて春夏合わせて6度、甲子園出場の経験がある尾崎監督は「非常に悔しい。しかし、これが甲子園」と厳しい表情で振り返った。

 五回1死満塁の好機を併殺で逃すと、その裏、打ち取った当たりの内野安打からピンチを招き、計6長短打を浴びて大量6点を奪われた。「野球というのは怖い。たった1イニングのワンプレーで、流れが行ってしまった」と嘆いた。


 いなべ総合が押し気味の試合だったが、我慢し続けた福井商に野球の神様は5回裏味方した。後から思えば、なんで5回のみ大量6点も与えてしまったのか不思議でならないが、ただ、いなべ総合の名将・尾崎監督はピッチャーの替え時を逸してしまった。あまりにも調子が良い3年ピッチャー近藤君に頼りすぎた。だから、今年で勇退する炎のように攻め立てる福井商・北野監督に運を取られてしまった。なかなか、面白い試合であったが野球の怖さを思い知らされた試合であった。


 三重県人としては尾崎監督は特別である。津市橋北中学ー高田高校ー日体大と進んだ名将・尾崎監督の野球に対する熱い思いはたくさんの球児に何かを伝えたのであろう。