唐招提寺:金堂落慶法要 鑑真和上坐像

 奈良市唐招提寺で1日から始まった金堂の落慶法要で2日、国宝の鑑真和上坐像が約30年ぶりに主導役を務めた。輿(こし)に載せられて参列者の間を練り歩き、約10年に及ぶ解体修理が終わった金堂内で、静かに法要を見守った。

 鑑真和上坐像は、寺を開いた鑑真(688〜763年)の姿を写した国内最古の肖像彫刻で、普段は境内の御影堂に安置されている。寺によると、法要を先導するのは1978年に境内にある戒壇の宝塔が完成した時以来。

 この日午後からの「最勝王経講讃(さいしょうおうきょうこうさん)法要」に登場。東を向いて輿に載せられ、上から天蓋(てんがい)を差し掛けられながら、東大寺法隆寺興福寺薬師寺西大寺泉涌寺の僧約30人の列に加わって南大門から金堂までの約100メートルを進んだ。

 金堂内では、本尊の盧舎那仏(るしゃなぶつ)坐像(国宝)の正面に外に向かって安置され、その前で僧が読経。献茶や舞楽の奉納もあった。落慶法要は3日まで続き、一般の参拝は4日からとなる。

 「平成の大修理」が完了した奈良市唐招提寺金堂(国宝)である。壮大な甍(いらか)がまた見ることができる。


 もちろんこの寺の開基(創立者)は鑑真である。6度の難航海により両目の失明という悲運にも屈せず渡来した唐の高僧である。唐招提寺という名前も単に唐僧を招いた寺という意味ではない。サンスクリット由来の中国語で四方から僧の集まり来るところを意味するようである。


 最近、仏像を見ると心が穏やかになる。年を取ったと言う事もあるだろうけど、たくさんの人の想いをかけて作られたものを永遠に守り伝えていこうという人々によって守られてきた遺産である。そして今見ることができる、単純に素晴らしいと感動してしまう。


 ある雑誌を手に入れた。一個人(いっこじん) 2009年11月号 「京都の仏像」である。近くの書店にも無い、楽天でも売り切れ、やっとYahoo!ショッピングで取り寄せた。ページをめくるとやたらと重い、奈良から京都に足を運びたくなるのである。


一個人 (いっこじん) 2009年 11月号 [雑誌]

一個人 (いっこじん) 2009年 11月号 [雑誌]