感動!!・・・・興福寺国宝特別公開2009 −お堂でみる阿修羅−


 今日はかみさんが午前中に用事があるため、午後から奈良の「興福寺国宝特別公開2009 −お堂でみる阿修羅−」に行こうと誘ったら、女房の用事は13:00からであると、のたまわれた。朝、8:00の出来事である。


 俺は聞いとらん、私は言ったの口げんかが始まるが、それでは今から行こうと、急いで出発した。三重県の津市の自宅を出たのが8:35分。かみさんのフィットを飛ばし芸濃インターから伊勢道・亀山から名阪国道で天理経由の奈良までのコース。


 車ですっとばすと朝の口げんかも忘れ、興福寺駐車場に着いたのも10:10である。二人で3000円のチケットを買い、 まずは仮金堂に入った。天平文化の至宝が並ぶお堂は、阿修羅像をはじめとする八部衆十大弟子像の現存する天平乾漆像14躰すべてが安置され、中心に釈迦三尊像。まずは後ろの高い見物台で雰囲気を感じ、係員の解説を2回も聞き、見学道の最前列をゆっくりと進み、夢にまで見た阿修羅様と対峙することができたのである。阿修羅様はスポットライトに映し出され、血が流れるような柔らかい皮膚の感じを出し、目の前で拝見すると触りたくなるような衝動に駆られた。15分か20分後、仮金堂の裏から五重の塔を左に見て右側の北円堂に進んだ。そして運慶一門による無著・世親両菩薩立像など国宝の並ぶ八角堂である。拝観するのにお堂を1周回ったが、裏の金木犀がほのかに香る空間は、悠久の静かな世界を醸し出し、鎌倉復興期の作品に対面できたわけである。


『秋風や 囲いもなしに 興福寺』と正岡子規が詠んだように、天高く澄みわたる秋空に囲いのない興福寺はたった1時間の鑑賞にもかかわらず、奈良を見つくし、天平から現代までの時代を旅したような気分であった。


 家に戻って来たのは12:45分、女房は近くの公民館に間に合ったのである。