プロ野球2009ドラフト

 プロ野球の新人選択会議(ドラフト会議)が29日、東京都内のホテルで行われ、米大リーグか国内球団の選択かで揺れた高校屈指の左腕、菊池雄星投手=岩手・花巻東高=は6球団の競合の末、西武が交渉権を獲得した。

 150キロを超える速球が武器の菊池には、西武をはじめ楽天阪神、ヤクルト、中日、日本ハムが1位で指名した。これまでの最多指名は1989年の野茂英雄投手(元ドジャース)と90年の小池秀郎投手(元近鉄)の8球団。

 巨人は、2度の入団拒否で強い巨人志望を示していた長野久義外野手=ホンダ=を単独で1位指名。広島は今春の選抜大会で優勝した今村猛投手=長崎・清峰高=、横浜は強打の筒香嘉智内野手=神奈川・横浜高=をそれぞれ単独で1位指名した。

 今年のドラフトでは初の試みとして、会場にファン1000人を招待し公開で行われた。

 2位以降は、ウエーバー制で実施。今年はパ・リーグに優先権があるため、パとセが交互に下位から順番に指名する。3位は逆の順番となり、その後は折り返しで続けられる。

 今回のドラフトで嬉しかったのは、巨人が当初から指名すると言っていた長野久義(ちょうの・ひさよし)を約束通り1位指名したことだ。だから原監督は好きである。今までアンチ巨人阪神・中日・横浜と応援球団は変わっていったが、原監督になってから巨人に傾いてきたのである。


 社会人野球では長野久義の活躍で、ホンダが13年ぶり2度目の優勝を飾った。過去2回ドラフトで巨人以外に指名され、かたくなに巨人を希望した堅物の男には「優勝して長野を(巨人に)送り出そう」チーム一丸とさせる人間性がある。打率・579、首位打者賞をもぎ取った男には、巨人で即戦力として戦える力も持ち合わせているのである。ドラフト会場の席にいた原監督は会場を抜け出し、長野のいる埼玉・狭山市内の合宿所に向かい、背番号7のユニホームと帽子をプレゼントしたという。なんと言うサプライズであろうか、周りが嬉しくなるのである。


 巨人の2位指名は三重の近大高専強肩捕手・鬼屋敷(きやしき)正人選手(18)である。スポーツメーカー実施の体力テストで全国総合1位に輝いた身体能力の持ち主である。スクワット280kg、遠投118m、二塁送球最速1.64秒とタダものではない逸材である。本来は阪神が狙っていた選手ではあったが、城島の入団で運命が良い方向に向かった鬼屋敷君である。この名前変わった名前であるが、南紀のほうには・・屋敷という名前は多く、良い名前である。


 あと思うのは賛否両論あるだろうけど、育成選手ドラフトで巨人は5人の選手を取っている。プロには最低保証年俸というのがあるが、1軍登録選手は1500万円、2軍(支配下登録選手)440万円、育成選手 240万円である。1軍選手1名分で6人の育成選手を取ることができるのである。ハングリーな選手がたくさんいるということはチームが下支えされるということです。3年後5年後の巨人を考えて、チーム作りをすることは見る者にとって楽しみである。


巨人
1 長野久義 外 Honda
単独指名
2 鬼屋敷正人 捕 近大高専
3 土本恭平JR東海
4 市川友也鷺宮製作所
5 小野淳平日本文理大
――
星野真澄北信越BC・信濃
河野元貴九州国際大付
育 陽川尚将 内 金光大阪
育 大立恭平 投 岡山商科大
育 神田直輝 投 群馬大教育学部

中日
1 岡田俊哉智弁和歌山
X 菊池雄星花巻東
2 小川龍也 投 千葉英和高
3 中田亮二 内 亜大
4 松井佑介 外 東農大
5 大島洋平日本生命
6 諏訪部貴大 投 Honda
7 松井雅人 捕 上武大
8 吉田利一 捕 奈良産大
――
育 矢地健人 投 高岡法科大
育 赤田龍一郎 捕 愛知大

ヤクルト
1 中澤雅人トヨタ自動車
X 菊池雄星花巻東
2 山本哲哉 投 三菱重工神戸
3 荒木貴裕 内 近大
4 平井諒 投 帝京五
5 松井淳 外 日大国際関係学部
――
育 曲尾マイケ 外 青森山田
育 麻生知史 内 日大国際関係学部

阪神
1 二神一人 投 法大
X 菊池雄星花巻東
2 藤原正典 投 立命
3 甲斐雄平 外 福岡大
4 秋山拓巳 投 西条高
5 藤川俊介 外 近大
6 原口文仁 捕 帝京高
――
育 高田周平 投 北信越BC・信濃
育 田上健一 外 創価

広島
1 今村猛清峰
単独指名
2 堂林翔太中京大中京
3 武内久士 投 法大
4 庄司隼人常葉橘
5 伊東昴大 投 盛岡大付
6 川口盛外王子製紙
――
永川光浩龍谷
育 中村亘佑 捕 横浜商大

横浜
1 筒香嘉智 内 横浜高
単独指名
2 加賀繁 投 住友金属鹿島
3 安斉雄虎 投 向上高
4 真下貴之 投 東海大望洋
5 福田岳洋 投 四国九州L・香川
――
国吉佑樹秀岳館
小林公太 投 多摩大聖ケ丘高


日本ハム
1 中村勝春日部共栄
X 菊池雄星花巻東
2 大塚豊 投 創価
3 加藤政義 内 九州国際大
4 運天 ジョン・クレイトン浦添工高
5 増井浩俊東芝
6 荒張裕司 捕 四国九州L・徳島
選択終了

楽天
1 戸村健次 投 立大
X 菊池雄星花巻東
2 西田哲朗 内 関大一
3 小関翔太 捕 東筑紫学園
4 高堀和也三菱自動車岡崎
5 土屋朋弘 投 シティライト岡山
――
育 松井宏次 内 四国九州L・長崎

ソフトバンク
1 今宮健太 内 明豊高
単独指名
2 川原弘之 投 福岡大大濠
3 下沖勇樹 投 光星学院
4 中原恵司 外 亜大
5 豊福晃司 内 鳥栖

西武
1 菊池雄星花巻東
交渉権獲得
2 美沢将 内 第一工大
3 岩尾利弘 投 別府大
4 石川貢 外 東邦高
5 松下建太 投 早大
6 岡本洋介 投 ヤマハ

ロッテ
1 荻野貴司トヨタ自動車
単独指名
2 大谷智久トヨタ自動車
3 大嶺翔太八重山商工
4 清田育宏NTT東日本
――
山室公志郎青学大

オリックス
1 古川秀一 投 日本文理大
単独指名
2 比嘉幹貴日立製作所
3 山田修義 投 敦賀気比
4 前田祐二北信越BC・福井
5 阿南徹 投 日本通運