全英は甘くなかった

スコットランドにあるターンベリーを舞台に開催されている、米国男子メジャー第3戦「全英オープン」の2日目。初日堂々のゴルフを披露し2アンダーと好スタートを切った石川遼だったが、このまま若武者を走らせてくれるほど全英は甘くなかった。

 石川は序盤パーセーブを続け安定したプレーを見せるも、難度の高い5番パー4でこの日初のボギー。しかし、その後は再三ピンチを招くも粘りのゴルフでしのぎ1アンダーで前半を折り返す。ここまではまずまずのプレーを見せていた石川だが、試練は後半にやってきた。

 10番でラフからのセカンドショットを、ドーナツ型バンカーの中央のラフになっている部分に打ち込みこれがアンプレに。このトラブルで痛恨のダブルボギーを叩き1オーバーに後退すると、ここからリズムが一気に崩れだす。11番、12番、13番、14番、15番と悪夢の5連続ボギーを叩きスコアはみるみる内に6オーバー。17番パー5でこの日初のバーディを奪う意地を見せたものの、最終18番でもボギーを叩き万事休す。トータル6オーバーの85位タイで予選通過はならなかった。

 石川と同組のタイガー・ウッズ(米国)も初日に引き続き厳しい展開。7番でバーディを奪うも8番、9番連続ボギーを叩くと、10番ではティショットがロストボールとなりダブルボギー。さらに12番ボギー、13番でダブルボギーと王者らしからぬプレーでスコアを落としてしまう。7オーバーと絶望的なスコアから16番、17番でバーディを奪い5オーバーにカムバックするもカットラインに1打及ばず74位タイ。世界ナンバー1が予選で姿を消した。


 ゴルフの聖地・スコットランドで開催される世界4大メジャーで最も長い歴史を持つ大会・・・、それが「全英オープン」だ。世界ナンバー1のタイガー・ウッズさえも、ミスショットにクラブを投げつける場面が多かった事だろう。イライラ募るタイガーは気持ちをリセットする為に、動作として出てしまったのだが、あまり見たい場面ではない。それだけ理想と現実がかけ離れていたのだろう。


 タイガーと比較は出来ないが遼くんには素晴らしい経験になったのだろう。とんでもない風が渦巻くコースは、風を読み運を呼び込む経験が必要だ。ゴルフと簡単に呼んでしまうが、自然と一体になってターンベリーを楽しまなければ勝利の女神はそっぽを向く。



【2日目の順位】
1位T:スティーブ・マリノ(-5)
1位T:トム・ワトソン(-5)
3位:マーク・カルカベッキア(-4)
4位T:ロス・フィッシャー(-3)
4位T:レティーフ・グーセン(-3)
4位T:ミゲル・アンヘルヒメネス(-3)
4位T:久保谷健一(-3)
4位T:ビジェイ・シン(-3)
9位T:リー・ウェストウッド(-2)他4名
53位T:今田竜二(+3)他11名

  • 予選落ち

74位T:タイガー・ウッズ(+5)他10名
85位T:石川遼(+6)他10名
96位T:池田勇太(+7)他10名
118位T:矢野東(+9)他9名
128位T:近藤共弘(+10)他5名
147位T:小田孔明(+14)他2名