映画「MW」完成披露・・・手塚治虫の問題作

  手塚治虫さんの問題作を映画化した「MW−ムウ−」(岩本仁志監督)の完成披露試写会が28日、東京都内の劇場であり、主演の玉木宏さん(29)や山田孝之さん(25)ら登場。玉木さんは「見終わった後、何が善で何が悪かが心に残る作品になっていると思います」と語った。


 「MW」は76年9月〜78年1月、「ビッグコミック」(小学館)で連載されたマンガが原作。16年前、ある島で島民全員が虐殺される事件が発生。政府によって隠ぺいされるが、奇跡的に2人の少年が生き残った。その一人、結城美智雄(玉木さん)は、エリート銀行員となっていたが、冷酷な殺人鬼となって事件の報復と世界の滅亡をたくらんでいた。もう一人の賀来裕太郎(山田さん)は、敬けんな神父となり、結城の犯行を阻止し、救済しようと苦悩するというストーリー。人間の原罪や政治の闇を描いたピカレスク作品で「映像化不可能」と言われてきたが、手塚さんの生誕80周年を記念して映画化された。


 「世界を変えるために必要なものは?」という質問に、玉木さんは「ほかの映画の宣伝じゃないですけど『相棒』かな。誰かがいたら変えられる気がする」と答え、山田さんは、「無理。そんな大それたことできません」と弱気な答えで、会場を笑わせた。映画は7月4日公開予定。


映画『MW』公式サイト
http://mw.gyao.jp/



  原作は、手塚治虫の漫画作品であるが、彼の作品としては珍しく、生々しい性描写や猟奇的殺人場面が描かれている。手塚氏が何を伝えたかったのか分からないが、読者を子供に置くのではなく、大人の生々しい裏の部分を大きくとらえ、ピカレスク・ロマン(悪漢モノ)を完成させている。


  映画『MW』の監督は現在日本テレビ社員で東大卒の岩本 仁志(いわもと ひとし)氏である。『ナースのお仕事』、『救命病棟24時』を手がけ、「明日があるさ」(2002年) に続き2本めの映画作品である。


 出演:玉木宏山田孝之山本裕典山下リオ風間トオル/デヴィッド・スターズィック/鶴見辰吾中村育二半海一晃品川徹石田ゆり子石橋凌となっているが、神父の賀来(山田孝之)を慕う少女役に山下リオの演技が楽しみである。