第93回ピュリツァー賞
米国の優れた報道などに贈られる2009年度ピュリツァー賞が20日発表され、ニューヨーク・タイムズ紙が報道14部門のうち調査報道や国際報道、特集写真など5部門で受賞した。
調査報道部門では、イラク戦争遂行に当たって、国防総省がマスメディアで解説などにかかわる元軍将官を取り込み、戦争の正当性に関する世論形成を図った問題を暴露した同紙のデビッド・バーストウ記者の「ねばり強い報道姿勢」が評価された。
国際報道部門は、アフガニスタン、パキスタン情勢と米国の関与に関する報道が対象となった。特集写真部門は、米国初の黒人大統領となったオバマ氏の選挙戦を追ったデイモン・ウィンター記者が受賞した。
報道写真部門は、ハイチのハリケーン被災地における悲惨な状況を撮影したマイアミ・ヘラルド紙のパトリック・ファレル記者が受賞した。
この賞は新聞等の印刷報道、文学、作曲に与えられる米国で最も権威ある賞である。ハンガリー系アメリカ人ジャーナリストおよび新聞経営者ジョセフ・ピュリッツァーの遺志に基づき、1917年に創設されたものである。このジョセフ・ピュリッツァー氏の遺産の一部がコロンビア大学に寄付され、1917年に第1回ピュリツァー賞が発表されている。
しかし、この賞は部門数が多くあまりよくわかってないのが現実である。ちなみに列挙すれば
報道部門
- 公益 (Public Service)
- ニュース速報報道 (Breaking News Reporting)
- 調査報道 (Investigative Reporting)
- 解説報道(Explanatory Reporting)
- ローカル報道 (Local Reporting)
- 国内報道 (National Reporting)
- 国際報道 (International Reporting)
- 特集記事 (Feature Writing)
- 論説 (Commentary):
- 批評 (Criticism):
- 社説 (Editorial Writing)
- 時事漫画 (Editorial Cartooning)
- 特集写真 (Feature Photography)
- ニュース速報写真 (Breaking News Photography)
文学芸能部門
- フィクション (Fiction)
- 歴史書 (History)
- 伝記 (Biography)
- 詩 (Poetry)
- 一般ノンフィクション (General Non-Fiction)
- 戯曲 (Drama)
音楽部門
- 音楽 (Music)
この賞を受賞した日本人は3人いるが、特に記憶に残っているのが「ベトナム戦争で銃弾を避けながら河を渡ろうとする母子の姿を撮影した」沢田教一(さわだ・きょういち。1936年-1970年)(UPI通信社) 1966年写真部門:『安全への逃避』である。
すべての作品が魂に語りかけてくるような重みのある作品ばかりであるが、今回の作品で一番印象に残ったのが、米大統領選投票日(昨年11月4日)直前、雨の中で演説する民主党候補のオバマ氏を撮ったニューヨーク・タイムズ紙カメラマンのデイモン・ウィンター氏(34)の作品である。将来、ドル紙幣の肖像になるくらいいい写真である。