旧吉田茂邸、ほぼ全焼…不審火か

 22日午前6時ごろ、神奈川県大磯町西小磯の吉田茂元首相の旧邸が燃えていると119番があった。県警と町消防本部によると、木造2階建て住宅約890平方メートルをほぼ全焼した。午前8時半現在、建物はほぼ焼け落ち、周囲の樹木に火が移り消火活動が続いている。今のところ、けが人の情報はない。建物は普段無人で火の気がないことから、県警は不審火とみて出火原因を調べている。


 県警や町サイトなどによると、今は約3ヘクタールの敷地に総ヒノキ造りの建物と庭園がある。人は住んでいないが、敷地入り口に普段は警備員がいる。

 町郷土資料館のサイトによると、旧吉田邸は吉田茂元首相(1878〜1967年)の養父が1884(明治17)年に別荘を建てたのが始まり。戦後、自邸として使うようになった際、日本芸術院会員だった建築家、吉田勝五十八氏に設計を依頼し建て直した。首相辞任後も元首相が亡くなるまで多くの政財界人が訪れ、戦後政治史の貴重な舞台となった。79年には大平正芳元首相とカーター元米大統領の会談が開かれた。

 県警や町サイトなどによると、元首相の死後69年から西武鉄道(本社・埼玉県所沢市)が所有。県が建物の寄付を受けて県立都市公園として整備する方針。普段は一般公開されておらず、町が開く見学会などで年数回見られる程度だった。22日は午後、県や町などが企画した庭園めぐりで公開予定だったが、火災を受け中止が決まった。


 不審火であろうか・・・・。


  相次ぐ歴史的建造物の焼失が続いている。3月22日旧吉田茂邸焼失の丁度1週間前の日曜日3月15日には横浜市戸塚区東俣野町の国の重要文化財「旧住友家俣野別邸」から出火し、母屋約650平方メートルを全焼している。関連が無いとは言えない休日の事件であるが、2月14日には東京都杉並区にある「トトロの家」も出火し木造平屋約70平方メートル全焼している。それに、藤沢市の洋館「旧モーガン邸」は2007年5月放火で修復工事が進められていたが、2008年1月2日再び放火され消失している。


 何が目的なのか判らないが、先人たちが残してくれた貴重な歴史的建造物の焼失を喜んでいる異常者が一人以上いることは間違いないだろう。何故自分に何の利益も無いのに、そんな事をするのか理解できない。人の困る姿を見て喜ぶ人間がいることを恥ずかしく思うのである。


 犯人を早く捕まえて欲しいと願うのである。