新型「フェアレディZ」を発売

 日産自動車は1日、国内を代表するスポーツカー「フェアレディZ」を6年ぶりに全面改良し、同日発売した。自動変速機(AT)、手動変速機(MT)とも新型を採用。前輪から後輪までの距離を縮めて操作性を高めるなど、先代モデルからの「走りの進化」を追求した。価格は362万2500〜446万2500円。月500台の販売を目指す。

 同車は1969年のデビュー以来、米国など世界各国で約170万台を売り上げた日産の“顔”。一時生産を中止していたが、2002年に復活を果たした。新型は排気量3.7リットルのエンジンを搭載したのに加え、アルミ素材の採用などで軽量化を図り、「世界トップレベルの運動性能」(志賀俊之最高執行責任者)を実現したとしている。

 変速機は手動モードが付いた7速ATと、ギアチェンジの際のノッキング(変速ミスによる車体の揺れ)などを防ぐ機能を付けた6速MTの2種。サイドエアバッグなど安全装備も充実させた。


 「フェアレディZ」も6代目になる。初代のS30型は1969年に発売、北米で値ごろ感覚で売れまくった。当時は日産のいい時代で『Z』にあこがれた団塊の世代も多く、SUツインキャブSOHCのL20型、DOHCのS20型との直列6気筒という面白いエンジンは素人ながらチューンに憧れ、メカに興味を持った最初の車である。4バルブ・3キャブレター・2カムシャフトの432は車好きの合言葉であったように思うし、軽い車体はゼロ戦を思い出させ技術の日産にあこがれた時代もあった。

 今6代目を見ると価格帯は362万2500〜446万2500円、定員2人、総排気量3696cc、最高出力 336馬力。いやはや、売れるのか心配になってくる。初代が出たときのような鮮烈なイメージは無く、世界トップレベルの運動性能も乗ってもらわなければ、解からない。景気の減速にこの車は逆走しているようにも思えてくる、嫌な時代になってしまったもんだ。