小林、益川、南部の3氏にノーベル物理学賞 

  スウェーデン王立科学アカデミーは7日、2008年のノーベル物理学賞を、小林誠高エネルギー加速器研究機構名誉教授(64)と益川敏英京都産業大教授(68)、南部陽一郎・米シカゴ大名誉教授(87)=米国籍=に贈ると発表した。小林氏と益川氏は名古屋市生まれ、名古屋大卒で、同大出身者の受賞は初めて。両氏は1973年、宇宙や物質の起源にかかわる「CP対称性の破れ」と呼ばれる現象を理論的に説明し、物質の基になる素粒子クォークが自然界に少なくとも6種類は存在することを予言した。南部氏は「自発的対称性の破れ」という考え方を60年に発表して素粒子理論に導入、物質が質量を持つ仕組みなどの説明に貢献した。



 ノーベル物理学賞に3人の日本人が名前を連ねた。受賞理由は、素粒子の世界のはなしで中身はちんぷんかんぷんと言ったところだ。


 しかしながら小林、益川氏は名古屋出身で、高校は明和、向陽と違うが、名古屋大理学部から京大助手と言う道を選んだ二人である。2人は名大の坂田昌一氏の研究室で助手と院生という立場で出会っている。


 ここで、小林、益川氏という2人のノーベル賞受賞者を育てた坂田昌一研究室を忘れてはならない。坂田昌一氏(1911年1月18日 - 1970年10月16日)といえば、湯川秀樹朝永振一郎とともに日本の素粒子物理学をリードした一人で、自由な議論で研究室に新しい風を吹かせ、多くの弟子を育てた。坂田学派とも呼ばれ、彼のことを学生に「先生」と呼ばせず、現象論,実体論,本質論を具体的に説明し、物理学の基礎の面白さを伝えたものだろうと推測する。


 しかし、この坂田氏東京都麹町区永田町、総理大臣官邸内の秘書官官舎で生まれ、京都帝国大学理学部物理学科卒業、湯川秀樹氏の論文の共著者として名を連ね、その後、名古屋(帝国)大学理学部教授となっている。

話は変わるが、坂田氏の風貌だが福山雅治演じる探偵ガリレオを思い出させるし、今公開の映画「容疑者Xの献身」の湯川研究室は坂田研究室を思い出させてくれる。今回3人の受賞者の表情それぞれが特徴あり、日本人の授賞に感動している。


 現実に戻ってしまうが、賞金1000万スウェーデン・クローナ(約1億4000万円)は南部氏に半分、残りの半分を小林、益川両氏に贈られるそうで、授賞式は12月10日ストックホルムということだ。