緒形拳さん死去

 「楢山節考」「鬼畜」など数多くの映画やドラマで活躍した俳優の緒形拳(おがた・けん、本名・明伸=あきのぶ)さんが死去していたことが6日、分かった。71歳だった。関係者によると、最近になって体調を崩したという。死因などは明らかになっていない。


  あれ、この前元気そうだったけどと思うが、いつのことか判らない。あんな無骨で殺しても死なないような悪人を演じる事も出来、自分で納得できない作品には出演しないという役者魂に筋を通す人は少なくなった。


 テレビドラマ「必殺仕掛人」の梅安役は記憶に新しいし、原作の池波正太郎の小説『仕掛人・藤枝梅安』のイメージと彼の演技はぴったり合った。また、母親を山に捨てに行く息子を演じカンヌ国際映画祭で最高賞のグランプリを取った「楢山節考」(83年)は個人的にも懐かしい。


 人の命ははかないものだと思うのであるが、多くの名作を世に残し、人々の記憶に残ると言う役者人生、羨ましく思うのである。