世界文化賞

 優れた芸術の世界的な創造者たちを顕彰する「高松宮殿下記念世界文化賞」(主催・財団法人日本美術協会=総裁・常陸宮殿下)の第20回受賞者が16日、発表され5部門6氏が受賞した。


 もともと高松宮殿下記念世界文化賞(たかまつのみやでんかきねんせかいぶんかしょう、Praemium Imperiale)は、1988年に日本美術協会により設立され、「絵画」、「彫刻」、「建築」、「音楽」、「演劇、映像」の5部門で優れた人物に授与されるものである。授賞式は10月15日東京・元赤坂の明治記念館で行われ、5部門6人が出席すると言う。賞金は各部門1500万円。

 日本人である歌舞伎俳優の坂田藤十郎氏(76)が受賞は、非常に嬉しい。演劇・映像部門では、映画監督の故黒澤明氏(1992)、歌舞伎俳優の故中村歌右衛門氏(1995)に続き、13年ぶり3人目である。その他にも日本人では絵画部門・・・草間彌生氏(2006)、彫刻部門・・・三宅一生氏(2005)、建築部門・・・丹下健三氏(1993)、安藤忠雄氏(1996)、槇文彦氏(1999)、谷口吉生氏(2005)が授賞している。


 私は今回授賞の中でPOP DADDYと呼ばれる個人的に尊敬するリチャード・ハミルトン氏と孤高の建築家と呼ばれるピーター・ズントー氏に注目した。芸術家と言うのは顔が重要である、特にハミルトン氏の顔は凄い、これがPOPだと言わんばかりの86歳の眼力である。




 もう一人がズントー氏であるが、彼はスイス・バーゼルに生まれ、家具職人の父親から大工仕事の手ほどきを受けた。ニューヨークに留学後、スイス・グラウビュンデン州で歴史的建造物の保存・修復をする職務に携わり、1979年に建築家として独立した。この経歴だけあって、場所・用途を考え人に優しい部材を選定、環境にとけ込んだ自然物を作る職人である。一度この空間に入り込んで楽しみたいと思うのであるが・・・。