米ラスカー賞に遠藤氏(臨床研究部門)・・・ノーベル賞前哨戦

 米アルバート・アンド・メアリー・ラスカー財団は13日、医学分野で国際的な権威を持つ今年のラスカー医学賞を、元三共研究員(現第一三共)の遠藤章・バイオファーム研究所所長(74)に授与すると発表した。三共研究員時代に血中コレステロール値を効果的に下げる物質「スタチン」を発見し、「心臓血管疾患の予防と治療に革命を起こした」ことが評価された。

 遠藤氏は6000種類のカビやキノコを調べ、青カビの一種から得られた物質が血中コレステロールを下げることを発見するとともに、その作用する仕組みも解明した。この成果をもとに製薬会社が同系統の薬剤を実用化している。現在、世界中で3000万人以上の患者に投与されている。



 ノーベル賞前哨戦と言われるのは、ラスカー賞を受賞した人のうちの68人(2003年時点)が、ノーベル賞を受賞しているからだ。このラスカー賞は医学で主要な貢献をした人に与えられる、アメリカ医学会最高の賞である。正式にはアルバート・ラスカー医学研究賞( - いがくけんきゅうしょう)と呼ばれる。


 この賞を受賞したのは農学博士である遠藤章氏である。秋田県由利本荘市出身 1933年11月14日生まれの74歳。1957年東北大学農学部卒業で、医学部、薬学部出身でないことに驚いた。少年時代から菌類に親しんだというが、この時代の人なら菌類に興味を持ったと言う事に理解できる。


 しかし彼の凡人と違うところは、ニューヨークのアルバート・アインシュタイン医科大学に留学時、コレステロールが原因で心筋梗塞で亡くなる人が年間数10万人居る事を知り、コレステロール低下剤の開発を目指すことになる。持ち前の粘り強さから2年間に6000株の菌類を調べ、73年に青カビ(ペニシリウム・シトリヌム)の培養液からコレステロール合成阻害剤ML-236B(コンパクチン)を発見、薬としてのスタチン開発に至る。


 今事故米で問題になっているが、京都の米屋で見つかった青カビが作り出す物質が薬になってしまったスタチンであるが、「コレステロールペニシリン」と称賛される事は嬉しいことである。メタボが騒がれる中、この薬が使用されることは明白で、現在世界市場は約3兆円弱と言われている。


 そんなことから、0.4mmメタボな我輩、きっと、きっと、遠藤章氏のノーベル賞は確実であろう・・・。