ベネチア映画祭が面白い!


世界3大映画祭の一つ、第65回ベネチア国際映画祭が27日、イタリアのベネチアで開幕、審査員の記者会見など一連の公式行事が始まった。

 最高賞「金獅子賞」を争うコンペティション部門に北野武監督「アキレスと亀」、宮崎駿監督「崖の上のポニョ」、押井守監督「スカイ・クロラ」を含む計21本が出品。日本作品が3本選ばれるのは異例で、注目が集まっている。

 北野監督は1997年に「HANA−BI」で金獅子賞を受賞するなど今回出品する顔触れの中で別格の存在。宮崎監督は2005年、多くの優れた作品を生んだ映画人に贈られる「栄誉金獅子賞」を受けており、押井監督のアニメも世界的に評価が高い。

 同部門にはこのほか、オダギリジョーさん主演で日本、中国などの合作「PLASTIC CITY」や、江戸川乱歩の小説が原作で石橋凌さんら日本人俳優が出演するフランス映画「陰獣」も出品される。



 日本からコンペティション部門へ3作品とは面白い。


 北野武監督「アキレスと亀」は、絵を描くことが大好きな主人公・真知寿(マチス)が、世間から評価されなくとも、よき理解者である妻と、ひたむきに画家になる夢を追い求めていく物語である。よき理解者である妻に樋口可南子の起用であるが、何故岸本加世子を使わなかったのか加世子ファンとしては残念に思った。北野武監督のこの作品に賭ける意欲はただななぬ物があり、劇中の絵画作品は北野が自ら描いたと云われている。


 宮崎駿監督「崖の上のポニョ」は、海沿いの街を舞台に、「人間になりたい」と願うさかなの子・ポニョと5歳児の少年・宗介の物語である。もう上映されているから日本での人気はそれなりに分かる。もともとアンデルセンの「人魚姫」をモチーフとしているのでヨーロッパでは受け入れやすく、宮崎監督の実績も評価されている。


 押井守監督「スカイ・クロラ」(The Sky Crawlers)は、森博嗣の小説が原作であり、近未来を舞台に、戦争請負会社の日本人部隊で、戦闘機に乗って戦う若者の物語。アニメを駆使し一人の少年を通して、生きることの意味を考えさせてくれる作品だ。草薙水素(クサナギスイト)の声に菊地凛子さん、やはりアニメしか出来ない事がある。



コンペティション部門ノミネート21作品


  1. 『The Wrestler』(米国)/監督:ダーレン・アロノフスキー(Darren Aronofsky)
  2. 『The Burning Plain』(米国)/監督:ギジェルモ・アリアガ(Guillermo Arriaga)
  3. 『Il Papa di Giovanna』(イタリア)/監督:プピ・アヴァティ(Pupi Avati)
  4. 『Birdwatchers』(イタリア)/監督:Marco Bechis
  5. 『L'Autre』(フランス)/監督:Patrick Mario Bernardとピエール・トリヴィディク(Pierre Trividic)
  6. 『Hurt Locker』(米国)/監督:キャスリン・ビグロー(Kathryn Bigelow)
  7. 『Il Seme Della Discordia』(イタリア)/監督:パッピ・コルシカート(Pappi Corsicato)
  8. 『Rachel Getting Married』(米国)/監督:ジョナサン・デミ(Jonathan Demme)
  9. 『Teza』(エチオピア・独・仏)/監督:Haile Gerima
  10. 『Bumaznyj Soldat』(ロシア)/監督:Aleksey German Jr.
  11. 『Sut』(トルコ・仏・独)/監督:(Semih Kaplanoglu)
  12. アキレスと亀(Achilles and the Tortoise)』(日本)/監督:北野武(Takeshi Kitano)
  13. 崖の上のポニョ(Ponyo on the Cliff by the Sea)』(日本)/監督:宮崎駿(Hayao Miyazaki)
  14. 『Vegas: Based on a True Story』(米国)/監督:アミール・ナデリ(Amir Naderi)
  15. スカイ・クロラThe Sky Crawlers)』(日本)/監督:押井守 (Mamoru Oshii)
  16. 『Un Giorno Perfetto』(イタリア)/監督:フェルザン・オズペテク(Ferzan Ozpetek)
  17. 『Jerichow』(ドイツ)/監督:Christian Petzold
  18. 『Inju, la Bete dans l'Ombre』(フランス)/監督:バーベット・シュローダー(Barbet Schroeder)
  19. 『Nuit de Chien』(仏・独・ポルトガル)/監督:ヴェルナー・シュレーター(Werner Schroeter)
  20. 『Gabbla』(アルジェリア・仏)/監督:Tariq Teguia
  21. 『PLASTIC CITY(Dangkou)』(ブラジル・中国・日本)/監督:余力爲(Yu Lik-wai)