高野連 一貫性欠く対応

 全国高校野球選手権大会甲子園球場)に群馬県代表として出場が決まっていた私立桐生第一高校の2年生野球部員1人が強制わいせつ容疑で群馬県警太田署に逮捕された問題で、日本高校野球連盟の西岡宏堂審議委員長は31日、出場を直ちに差し止める必要はない、との判断を示した。1日の全国理事会で最終的な措置を決めるが、同校も出場を希望しており、認められる方向だ。


 そもそもこの事件は7月31日、群馬県太田市に住む高校2年の男子生徒(16)が強制わいせつの疑いで逮捕された。太田市内では7月に入り強制わいせつの被害が4件あり、太田署員警戒中、30日挙動不審な男子生徒を見つけ、任意同行し22日の犯行が分かったものだ。

 なんと太田署員がびっくりしたのは、この生徒は甲子園出場の群馬代表:私立桐生第一高(同県桐生市)の野球部員と分かったからだ。事実の公表としては間違っていない。

 ところがこの報道に高野連は慌てふためき、協議をしたが結論が出せず、8月1日午後に開かれる高野連全国理事会で最終決定するとした。野球部員が逮捕に対して、連帯責任は問わないという判断が正しいかどうかはわからないが、過去に散々、部員の飲酒・喫煙で出場辞退に持ち込んでいるのに今回は判断が甘いように思うのである。


 桐生第一は大会第6日(7日)の第1試合で金沢(石川)と対戦することが決まっている。当然、開幕前日(1日)の午前9時までに辞退していれば、準優勝校の樹徳が出場できたのに今のままで行けば出場辞退でも金沢の不戦勝となる。残念ながらこの樹徳であるが2−1で桐生第一に負けている、当然桐生第一が出場辞退すれば群馬代表に選ばれるべく権利のある高校なのだ。


 高野連という組織はどうも人によって受け止め方の違う一貫性の無い組織のようだ。子供たちが汗を流し闘う姿は清楚で素晴らしいのにそれを牛耳る年寄り集団は一貫性欠く判断しか出来ないようだ。桐生第一の子供たちも可哀想であるが、例年であれば樹徳が全力で闘えただろうにと思うと、こんな事件に放浪される、何も残らない夏を送る事が不憫であるのだが・・・・。