工藤幸雄氏死去

 ポーランド文学者で翻訳家、詩人の工藤幸雄(くどう・ゆきお)氏が5日、肺がんのため東京都清瀬市の病院で死去した。83歳。自宅は東京都調布市入間町。葬儀・告別式は14日午前11時から調布市布田2ノ34ノ6、セレモニアル調布で。喪主は長男堀切万比呂(ほりきり・まひろ)氏。

 1925年、中国・大連生まれ。東大卒業後、共同通信外信部記者、ワルシャワ大日本語科講師を経て、77年に多摩美術大教授。ポーランドの自主管理労組「連帯」による民主化運動を日本にいち早く紹介した。

 著書に「ワルシャワの七年」「ワルシャワ物語」「ポーランド『連帯』の挑戦」「乳牛に鞍−ポーランド私見」など。翻訳作品には、19世紀のポーランドの国民的詩人、アダム・ミツキエビッチの長編叙事詩「パン・タデウシュ」などがある。



 『ワルシャワ猫物語』によって第10回日本ノンフィクション賞を受賞した工藤久代 さんと工藤幸雄氏が結びついた。よく考えれば分かることなんだけど、何かのきっかけに、かすかに交差する瞬間がある。それが訃報では残念だが、真剣に生きた人生、改めて見直してしまう。


ぼくの翻訳人生 (中公新書)

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ぼくとポーランドについて、など

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