燃料電池車を量産へ

ホンダは16日、新型燃料電池車の量産第1号車が栃木県の工場で完成したと発表した。従来よりも燃料電池を小型化したほか、製造ラインの自動化も進めてコストを削減。実用化に近づけた。米国で今年7月から、日本でも秋からリース販売する予定で、日米合わせて3年間で約200台の販売を見込む。
 ホンダにとって3代目となる燃料電池車「FCXクラリティ」は、業界初のセダン型。今までの燃料電池車は大型SUV(スポーツ用多目的車)が中心だったが、ホンダは発電装置の燃料電池スタックや、補助電源のリチウムイオン電池など基幹部品を小型化し、セダン型を実現した。



 いや〜、燃料電池車の量産化とは進んでいるなあ〜。というのが印象ではあるが、水素一回の充てんによる走行距離は620キロ、最高時速も160キロ、しかしFCXクラリティの価格が1台当たり数千万円ときた。3年リースで価格は月600ドルと言うから庶民にはまだまだ手も足も出ない。
 簡単に言えば、燃料電池車は水素を燃料とし、空気中の酸素との化学反応で発生した電気でモーターを回して走行するのだから二酸化炭素の発生がまったく無く、究極の環境対策車である。


 来月、7月7日から9日にかけて開催される「北海道洞爺湖サミット主要先進国首脳会議)」のテーマは地球環境問題である。この「洞爺湖サミット」にもこの新型燃料電池車「FCXクラリティ」や、「シビック ハイブリッド」等を提供するホンダであるが、究極の環境対策量産車で日本のイニシアティブを発揮できるのではないかと、タイミングの良さに感心させられてしまう。


 でも「洞爺湖サミット」では他のメーカもエコカー提供をしている。まずは三菱が新世代電気自動車『i MiEV(アイ ミーブ)』計10台、トヨタハイブリッド車等、なんと78台もを提供する。トヨタの内訳としては、注目の燃料電池ハイブリッド車「FCHV-BUS」5台をはじめ、各国政府関係者の移動用として、「LS600h/LS600hL」11台、「クラウンハイブリッド」15台、「エスティマハイブリッド」43台環境ショーケースにおける試乗用として、家庭用電源からも充電でき、電動走行が可能な「トヨタプラグインHV」1台、パーソナルモビリティ「i-REAL」2台、「トヨタFCHV-adv」1台を提供。


 こう考えると、「洞爺湖サミット」はエコカーの展示場になるのだろう。ホンダはASIMO君も借り出されるのだろうか・・・。