義足ランナー、北京オリンピック出場!

 義足の陸上男子短距離選手、オスカー・ピストリウス南アフリカ)に北京五輪出場の道が開かれた。スポーツ仲裁裁判所(CAS)は16日、同選手が使用するカーボン繊維製の義足が人工的な推進力を与え、競技規則に抵触するとした国際陸連(IAAF)の判断を覆し、健常者のレースに出場することを認めた。ただピストリウスが実際に五輪に出場できるかは、今後の記録の伸びにかかっている。



 オスカー・ピストリウス南アフリカ共和国パラリンピック陸上選手である。両足義足のスプリンターで、オズール社製のカーボン義肢を使用している。オズール社はアイスランドにあり、世界のトップクラスのメーカーである。

オズール社ホームページ  http://bionics.ossur.jp/


 義足であるから地面から反発を受け、健常者より約25%少ないエネルギーで同じ速度を維持できることから国際陸連は健常者のレースに出場できないとの結論を下した。しかし、オスカー・ピストリウスは米マサチューセッツ工科大のH・ハー教授に実験を依頼し、「有利にはならない」という結論を出し、スポーツ仲裁裁判所(CAS)もそれを認めた。


 パラリンピックで両足切断者クラスの100m、200m、400m世界記録保持者になったとしても、健常者の中で戦ったわけではない。健常者の中に障害者がいて、同じように努力する姿はかけがいがないものである。彼を応援する人たちの中には、身体障害者もいるが、オズール社のような夢を追いかけるメーカーも要るのである。