新「しらせ」進水

 引退する南極観測船「しらせ」の後継船の命名進水式が16日午後、京都府舞鶴市ユニバーサル造船舞鶴事業所であった。進水後は内装工事をして09年5月に完成、同年11月に初航海の予定だ。初代「宗谷」から数えて4代目。「名前を残して」という声が多数寄せられたため、3代目から船名が引き継がれることとなった。



新「しらせ」はもちろん、陸軍中尉であり、南極探検家として苦難の道を歩んだ白瀬 矗(しらせ のぶ、 文久元年6月13日(1861年7月20日)-昭和21年(1946年)9月4日)氏から取ったものである。日本では船に個人名は付けないと言う暗黙の了解項目があり、しょうがなく南極大陸の"白瀬氷河"からとされているが、どちみち個人名には違いない。


 日本の海上自衛隊保有する唯一の砕氷艦でありながら文部科学省の建造予算で作られ、陸軍中尉の名前を取った船のいきさつは、白瀬 矗の数奇な人生と重なってしょうがない。越冬生活、同僚の死、戦争、借金返済、事故、挫折等数え切れない。こんな苦難の人生を背負い、栄養失調による餓死でなくなる85歳という長寿はどんなバイタリティ持っていたのか不思議である。



 しかし、彼の生まれた秋田県では県民に尊敬され、横田市にある、「秋田ふるさと村」のマスコットキャラクターの秋田犬「ノブ君」は白瀬 矗(のぶ)から取ったといわれ、かわいい秋田犬のように愛されている。もし将来秋田に行くことがあれば、テーマパーク「秋田ふるさと村」敷地内に所在する秋田県立近代美術館も見たい場所である。



余談:
しかし、昨日も書いた「せんとくん」と秋田犬の「ノブ君」ではノブ君に軍配が上がるのである。