向田邦子賞
優れたテレビドラマの脚本家に贈られる「第26回向田邦子賞」(向田邦子賞委員会、東京ニュース通信社主催)の選考会が9日開かれ、昨年春にフジテレビ系で放送された「わたしたちの教科書」の坂元裕二さん(40)が選ばれた。
坂元 裕二(さかもと ゆうじ、1967年5月12日 - )は、大阪府出身の男性脚本家である。妻はあの美人女優の森口瑤子さんであるからちょっと羨ましいと言うより腹がたつ。柴門ふみ原作の東京ラブストーリー(1991年、フジテレビ)や同・級・生(1989年、フジテレビ)は懐かしいが、「 わたしたちの教科書」(2007年、フジテレビ)主演の菅野美穂さんの演技は記憶に新しい。
この賞は1981年8月22日に飛行機事故によってなくなったテレビドラマ脚本家、エッセイスト、小説家である向田邦子の功績を記念して優れた脚本に対して創設された。第1回(1982年)は市川森一 『淋しいのはお前だけじゃない』を初めとして、現在第26回を迎えている。
1981年8月22日 、エッセイ集の取材旅行中、台湾苗栗県三義で遠東航空機墜落事故で向田邦子さんは亡くなった。テレビの速報で知ったときの記憶は27年前とは思われないほど鮮明である。あのときの向田さんは51歳で亡くなっているのだが、現場へ行って取材をするという基本は忠実に守り、執筆に対する意欲は執念である様な気がしてならない。自分の歳が彼女の享年を越えてしまったわけだが、改めて彼女の偉大さに敬服してしまう。余談だが1981年は我輩が独身最後の年ではなかったかと記憶する。 湯川秀樹[物理学者](74歳、9.8)をはじめとして多くの著名人が亡くなっている。 横溝正史[作家](79歳、12.28)、 市川房枝[政治家](87歳、2.11)、 ナタリー・ウッド[俳優](43歳、11.29)、 堀口大学[詩人](89歳)、 谷内六郎[画家]、 芥川比呂志[俳優]である。
ある意味、向田邦子賞は時代を象徴しているのかもしれないと改めて26回の受賞作をながめるのである。
受賞作品
- 第1回(1982年) - 市川森一 『淋しいのはお前だけじゃない』
- 第2回(1983年) - 山田太一 『日本の面影』
- 第3回(1984年) - 池端俊策 『私を深く埋めて』『羽田浦地図』『危険な年ごろ』
- 第4回(1985年) - 早坂暁 『花へんろ・風の昭和日記』
- 第5回(1986年) - 寺内小春 『麗子の足』『イキのいい奴』
- 第6回(1987年) - 田向正健 『橋の上においでよ』
- 第7回(1988年) - 黒土三男 『とんぼ』『うさぎの休日』
- 第8回(1989年) - 中島丈博 『幸福な市民』
- 第9回(1990年) - 山田信夫 『去っていく男』
- 第10回(1991年) - 冨川元文 『二本の桜』『結婚しない女達のために』
- 第11回(1992年) - 松原敏春 『家族日和'93』
- 第12回(1993年) - 岩間芳樹 『定年、長い余白』
- 第13回(1994年) - 鎌田敏夫 『29歳のクリスマス』
- 第14回(1995年) - 筒井ともみ 『響子』『小石川の家』
- 第15回(1996年) - 大石静 『ふたりっ子』
- 第16回(1997年) - 金子成人 『魚心あれば嫁心』『終わりのない童話』
- 第17回(1998年) - 野沢尚 『眠れる森』『結婚前夜』
- 第18回(1999年) - 北川悦吏子 『ビューティフルライフ』
- 第19回(2000年) - 大森寿美男 『泥棒家族』『トトの世界』
- 第20回(2001年) - 岡田惠和 『ちゅらさん』
- 第21回(2002年) - 倉本聰 『北の国から2002遺言』
- 第22回(2003年) - 木皿泉 『すいか』
- 第23回(2004年) - 大森美香 『不機嫌なジーン』
- 第24回(2005年) - 遊川和彦 『女王の教室』
- 第25回(2006年) - 井上由美子 『マチベン』
- 第26回(2007年) - 坂元裕二 『わたしたちの教科書』