責任の取り方

 海上自衛隊イージス艦「あたご」と漁船の衝突事故で、海上幕僚監部石破茂防衛相の了承を得ないまま、あたごの航海長を防衛省に呼び、事情聴取をしていたことが28日、分かった。事故当日の19日に護衛艦隊幕僚長が海上保安庁に事前連絡せずに事態把握のためあたごに乗り込んだことも判明した。


 毎日毎日、つじつまが合わないことが出てくる。隠ぺい工作、情報操作がされていることが判ってくると何のために嘘をつくのか判らなくなってくる。きっと、責任者を誰にするのか、決まらないからであろうと思ってしまう。みんなが悪いんだからしょうがない、なんてね。

 事故が起きたときも、責任を誰が取るのか決める為にあたごの航海長をヘリコプターで同省に運び、事情聴取した。けがをした乗組員の搬送の同行ということでついでに事情聴取というお膳立ても、2台のヘリを出せばくずれてしまう。まあ、船頭が多いと舵は取れない。足の引っ張りあいが仕事の政治家、右だ左だと行っている間に沈没だ。

 ああ、考えるのも否になってしまう。

 話は変わるが、おりしも3月1日公開の映画に『明日への遺言』がある。第二次世界大戦終了後、B級戦犯裁判をたった一人で戦い抜いた岡田資(たすく)中将の誇り高き生涯を描く作品である。1945年5月14日の名古屋空襲の際、撃墜され捕虜となった米軍のB-29爆撃機搭乗員27名を自らの命令で処刑した事に対し、「私ひとりが一切の責任を負う」として、捕虜処刑の罪について全てを被って巣鴨プリズンにて絞首刑なった。捕虜処刑の責任は自分にあるとして、アメリカの無差別爆撃を認めさせるなど、戦争の矛盾に対してきっちりと責任という答えを出している。

 この『明日への遺言』、防衛省推奨なんて肩書き入れて、自衛隊員は無料招待なんて税金の使い道の方が良いように考えるのは、間違っているのだろうか。



ながい旅 (角川文庫)

ながい旅 (角川文庫)