大阪桐蔭・中田翔、破れる


 第89回高校野球選手権大阪大会決勝戦 大阪桐蔭金光大阪に3対4で破れるという、大波乱があった。プロ注目のスラッガー大阪桐蔭(大阪)の中田翔(3年)が最後の甲子園で記録を作ってくれるのを楽しみにしていた人も多かっただろう。

 しかし、この金光大阪かなりの実力高であり、昨年の夏は1点差で桐蔭に破れている。今回はエース植松優友(3年)の好投がひかり、強打者・中田の5打席をいずれも速球で仕留めている。183センチ80キロのエース植松優友は帽子のつばに刻んだ「強気」と言う文字を貫き、中田の弱点であるインコースのストレートで勝負、打球は1本も外野に飛ばせなかった。

 金光大阪という高校は聞きなれない人も多いだろう。大阪府高槻市にある学校法人関西金光学園が経営する私立高等学校である。普通科と特進の二つのコースを設置している文武両道の高校で、戦前で言う神道十三派の一つである金光教(こんこうきょう)の教えに基づいている。卒業生には女優の田畑智子、野球の愛敬尚史・梅原伸亮・山本拓司・吉見一起、サッカーの斉藤大介林卓人田中淳也 、お笑いの宮迫博之など数え切れない。そして、金光教と言えば個人的に頭に浮かぶのが、『博士の愛した数式』で第1回本屋大賞を取った作家の小川洋子さんや『戦争を知らない子供たち』の作曲の杉田二郎さん。杉田さんは金光教島原教会で教師の資格を持っている。

 話はそれたが、ずっと中田攻略を第1に考えていた大阪大会、「今年は倒して優勝したい。中田君も絶対に抑える」誓った金光大阪が甲子園の切符をもぎとった。


 甲子園での活躍を祈る!