教師用「訴訟保険」需要急増

 保護者などから起こされる訴訟に備え、保険に加入する教師が増えている。

 大手損害保険会社の大半が教師専用の保険を扱っているほか、公務員全般を対象にした保険を利用する教師も多い。東京都の公立学校では今年、保険に加入する教職員が3分の1を超えた。こうした状況は、学校に対する親の理不尽なクレームが深刻化する中、教師たちが「いつ訴えられるかわからない」という不安を抱いていることを示している。


 「教師という職業も大変だなぁ・・・」というのが感想だ。教師が生徒の親から損害賠償訴訟を起こされると言う考えられない事が起こって来た。先日、車の任意保険の更新に今までに無い説明資料のチェック票を書かされたところで、保険というのもなかなか複雑になって来ているというのが印象だ。その昔、賠償責任保険なんて言葉は他人事だと思っていたら、自動車保険や、傷害保険の特約などで、対人事故や対物事故での賠償責任をカバーしているものがあるし、医療事故に関し、医師に過誤があり、賠償責任が生じたとき、これを補償する医師賠償責任保険も聞いた事がある。その他、掛け金が少ないが、個人向け賠償責任保険 (個人賠償責任保険、ゴルファー保険、テニス保険など)は知らず知らずに入っている場合がある。


 こんな流れに準じて「教職員賠償責任保険」が日本国の教職員を対象に販売されている損害保険の商品である。例を挙げると、授業中に児童がふざけ合っていて負傷した際に、授業を担当していた教師が損害賠償を請求されたり、部活動中に事故が発生し、顧問を務めていた教師が損害賠償を請求されたりというケースなど、保険屋に進められると入ってしまいそうな例があげられている。

 教師の問題というよりは、子供の問題をさておきながら親の権利意識が強すぎることによるトラブルに発展、親と学校の問題になり教職員個人に賠償責任がかかってきた判例から出来た商品である。万が一、先生が生徒の親に賠償請求をされても自分の家族が生活できるように賠償責任保険をかけなければならない現状は、教育現場がお互いに信頼できる場所では無いという事しょうか。


 保険に入る前に、教師も、生徒も、保護者も、もっと信頼できる現場を構築しようと会話することこそ大切な事ではないのでしょうか。