鉢呂経産相“失格”発言「死の町」「放射能うつしてやる」

 鉢呂吉雄経済産業相が9日午前の会見で、8日に視察した東京電力福島第1原発の周辺市町村について「“死の町”だった」と発言した。夕方の会見で陳謝したものの、夜になり、視察後に防災服を記者にすりつけ「放射能をうつす」という趣旨の発言をしていたことも発覚。野田佳彦首相は「不穏当」と強い不快感を示したが、野党は一斉に批判。13日召集の臨時国会でいきなり任命責任を追及されるのは必至だ。

 鉢呂氏は冒頭、視察した原発周辺について説明する中で、「残念ながら周辺市町村の市街地は人っ子一人いない“死の町”だった」などと淡々と感想を語った。

 これを受け、藤村修官房長官は会見で「周辺住民には多大な迷惑をかけている。言葉の使い方に配慮すべきだ」などとイエローカードを突きつけた。また、台風被災地の三重県紀宝町を訪問していた野田首相は「不穏当な発言ですね。謝罪して、訂正してほしい」と不快感をあらわにした。

 首相の発言とほぼ同時刻に会見した鉢呂氏は「大変誤解を与える表現だったと真摯(しんし)に反省し、この表現を撤回させていただき、深く陳謝を申し上げる」とした。さらに「午前中も話したが、あのような事態をわたし自身の原点にして、経産行政を、再びあの町に被災をされている皆さんが戻れるように、除染対策などを強力に進めていくということを申し上げたかった」などと沈静化に躍起になった。

 しかし、その後、視察を終えた8日夜に、報道陣の1人に防災服をすりつけるしぐさをし「放射能をうつしてやる」という趣旨の発言をしていたことが新たに発覚。この言動について鉢呂氏は記者団に「汚染で苦しむ皆さんのことについてマスコミの皆さんにも共有して(もらって)頑張って難局を乗り越えていきたいということでありますので。それは(発言は)ちょっとわたし、定かではありません」としどろもどろ。すりつけに関しては「親しい記者もいたこともあり、近づいていったのは事実だ」と苦しい弁明に終始した。一連の言動は「誤解を与える」というレベルで片付けられるものではなく、進退問題に発展しそうだ。

 野党からは「言語道断であり、感覚を疑う。国会で糾弾されるべき発言だ」(みんなの党渡辺喜美代表)などと批判ラッシュ。13日に召集が決まった臨時国会で、野田首相任命責任を追及する構えで、野田首相にとっては防戦一方の国会デビューとなりそうだ。



 いや、困ったもんだ。鉢呂吉雄経済産業相は記憶にありませんとでも言いそうな雰囲気である。たなぼた経済産業大臣に任命されたことで自分は偉いと思っているのであろうか、国民のために何をしようと考えているのが、恥ずかしいかぎりである。
 彼は北海道樺戸郡新十津川町出身である。この町は1889年の奈良県吉野郡十津川村水害から1890年 600戸2489人が故郷を捨てトック原野(徳富川流域)に移住した子孫であろうが。今、121年たって東北では震災、原発事故そして奈良県十津川村でも水害と冗談を言っている場合では無い状況での失態だ。小学生以下だといわれてもしょうがない。


 ◇東日本大震災に関する政治家の主な失言 (肩書は当時)

 ▼東京都・石原慎太郎知事 大震災に関して「日本に対する天罰。津波で我欲を洗いおとせ」(3月)

 ▼菅直人首相 福島第1原発の周辺地域について「20年住めない」などと話したと松本健一内閣官房参与が発言。しかし、松本氏は翌日「私の臆測」と訂正。(4月)

 ▼松本龍復興担当相 被災地の岩手、宮城両県の知事と会談し「知恵を出さないやつは助けない」。強い口調が上から目線などと批判を受け、就任わずか9日目で辞任。