東京株式大引け続報:円安受け300円超高に9900円台回復

 3日の東京株式市場は急反発した。大引け日経平均株価は前日比310.95円高の9914.19円と9900円台を回復した。米国株の大幅高や対ユーロでの円安などから買い戻しが先行した。日経平均先物も買い戻しが活発化し、日経平均もつられる形で上伸した。アジア株式市場の堅調展開も東京株式市場にプラスに作用した。

 終日、ジリ高基調で推移した。ユーロ・円が朝方の1ユーロ=112円80銭近辺から、東京株式市場の午後の取引時間中に113円70銭まで円安が進むと輸出関連株中心に買い戻された。ドル・円も朝方の1ドル=92円10銭台から92円33銭まで円安が進行。

 前日の「鳩山首相辞任」「小沢幹事長辞任」で首相続投の場合の政局混乱が回避され、後継総理と目される菅直人副総理兼財務相が円安政策を指向していることから、新政権発足が経済にとってプラス効果があると見る向きがある。菅財務相は今年1月に「経済界から1ドル=90円台半ばあたりが貿易の関係で適切ではないかという見方が多い。もう少し円安の方向に進めばいいなと思っている」と発言している。

 為替の動きを見て日経平均先物も上伸し、現物株指数を押し上げた。日経平均株価は5月20日安値9999.59円から5月21日高値9829.36円にチャート上の「窓」が開いており、同水準を埋め切れるかどうかで1万円台乗せの可能性も出てくる。

 また、上海総合指数がジリ高となっているほか、香港市場、シンガポール市場も堅調展開となっており、東京株式市場の外部環境好転が期待される状況になってきた。

 ほぼ全面高商状に東証1部の売買代金上位30傑中29銘柄が上伸。出来高上位30傑中でも27銘柄が株価上昇した。円安を好感し、ニチコン <6996> や日本ケミコン <6997> 、太陽誘電 <6976> 、アルプス電気 <6770> などの電子部品株が値上がり率上位に並んだ。ファナック <6954> 、ファーストリテイリング <9983> など指数寄与度の高い銘柄が買われ、三井物産 <8031> 、三菱商事 <8058> など前日売り込まれた総合商社株が一段高。日本郵船 <9101> 、商船三井 <9104> 、川崎汽船 <9107> など海運株も軒並み高となった。

 日経平均株価の下げ過程では中国関連株の下げがきつかっただけに、鉄鋼、海運、機械などの中国関連株を見直す動きも浮上している。半面、下げた銘柄では増担保規制に、レナウン <3606> が急落したのが目立つ程度だった。


 民主党の新代表、後継総理は菅直人氏というのもアメリカがいち早く認めていた筋書きだ。選挙より先にアメリカは予想していたと言うより、認めていたからそれで行けというようなメッセージであった。


 日本も情けないのが、そのシナリオ通りに政治が動いているとところである。総理が小沢幹事長辞任を鬼の首でも取った様に誇るのは情けない。どんな社会になるのか、何処へ導いてくれるのか不安が大きいが、小沢色から脱皮できたのなら、民主党を応援してもいいなぁなんて思っている。


 菅さんと言えば1974年(昭和49年)の参議院選挙で市川房枝氏の選挙事務所代表を務め、選挙参謀として市川の当選に尽力したことが政界入りのきっかけになったとされている。その市川房枝氏は日本の婦人運動家、政治家(元参議院議員)で多くの政治家に影響を与えた人である。彼女が愛知県女子師範学校(現在の愛知教育大学の前身)在学中に、良妻賢母教育に反対して同級生と授業ボイコットを実施したと聞いたのは社会人になってからであるが、よくぞ反骨精神があったものだと感心するのである。


 もう一度、市川房枝氏を見習って、一枚づつ脱皮しながら、分かりやすい政治を見せていただきたいと思っている。菅さんには政治を直す人となって欲しいと期待するのだが・・・・。