トヨタ、ブレーキ欠陥を否定 プリウス苦情で会見

 トヨタ自動車横山裕行常務役員(品質保証担当)は4日、東京都内で記者会見し、ハイブリッド車プリウス」のブレーキに対する苦情問題について、「ブレーキを踏み増せば安全に車は止まる」と述べ、ブレーキの性能に欠陥はない、との認識を示した。

 プリウスはガソリン車と同じ「油圧ブレーキ」と、ハイブリッド車特有の「回生ブレーキ」を併用。走行状態に合わせ、自動的に車自体が最善の組み合わせを選ぶ仕組みだ。ただ、凍結など滑りやすい路面で車体をコントロールするアンチロック・ブレーキ・システム(ABS)が作動すると、回生ブレーキとの併用から油圧ブレーキ単独への切り替えに、時間差が生じるという。

 これについて横山氏は「ブレーキを踏めば(車は)きちっと止まる。(制動距離が)伸びることはない」と車両の安全性を強調。ただ、トヨタはドライバーが感じる「違和感」を解消するため、2009年5月の発売から10年1月下旬にかけ国内で販売した車両を対象に、ブレーキ制御のコンピューターを改良ソフトに書き換える無料改修を行う。


 プリウス不具合もよくわからない件である。上記事では欠陥ではないと言っているが、今日の朝には日米でリコールを実施する方針を決めたと情報が流れ、株価が影響している。


 ブレーキの効き具合が「フィーリング上の問題」ですまされるのかどうか私は乗ってないので判断はつかないが、事故が起きた事を考えると、放って置くわけにもいくまい。昔、ホンダの「CVCC」が出たころアクセルのフィーリングが違って私はこの車を選ぶのをやめたが、ブレーキはこんな悠長な考え方では済まない。命にかかわることであるので安心して車に乗れないのである。


 どうもこの問題は車を「設計する側」と「乗る側」の隔たりの問題があるように思う。昨日オートバックスにオイル交換に行ったが、昔は自分でしていたのである。それがオイルの処分が簡単にできないとか、汚い作業を嫌がる傾向からどこかにやってもらうことが常識になってきた。だんだん、乗る側が車の信頼性が上がってきたことで、車に対する知識が無くても乗れる時代になって来たのである。昔はフィーリング上で済まされた問題でも、今はそうはいかない。


 そもそも、このプリウスブレーキ不具合も「回生ブレーキによる減速時、タイヤの一輪のみが段差を超えるなどにより左右のタイヤの回転差が検知されると、その瞬間に回生ブレーキが1秒程度無効になるため、突然減速しなくなる」というものだ。機械を制御するシステムの問題でフィーリングと理解するのは設計者だけであろう。この問題は海外で言われているアクセルペダルが戻らなくなる問題とごちゃごちゃになっているのであるが、「乗る側」としては止まらない(信頼がおけない)と言うところに関しては同じである。


 この藪は先が見えているようにも感じるが、後ろに訴訟という補償問題がまだ見えて無いので怖い存在である。