<GM>中国メーカーに「ハマー」売却

米自動車大手ゼネラル・モーターズ(GM)は9日、大型SUV(スポーツタイプ多目的車)ブランド「ハマー」を、中国の重機メーカー、四川騰中重工機械に売却することで最終合意に達したと発表した。米紙ウォールストリート・ジャーナル(電子版)によると、買収金額は約1億5000万ドル(約135億円)という。

 米中両国の独占禁止法に抵触しないことなどが買収の条件となるが、実現すれば中国企業が初めて米国自動車市場に本格参入することになる。中国企業によるGMブランド買収は、世界の自動車産業の主役交代を印象づける出来事として注目されそうだ。

 GMは四川騰中に車両製造工場を引き継ぐ12年まで「ハマー」の生産を続ける。四川騰中はハマーの販売店網も引き継ぐ見通しで、販売店や製造工場など3000人超の雇用は守られる公算が大きい。

 GMは6月に米連邦破産法11条(日本の民事再生法に相当)の適用を受けた際、経営再建策の一環として、世界に10以上あったブランドを4ブランドに絞り込む方針を決めた。

 難航した「ハマー」の売却では最終合意に達したものの、小型車ブランド「サターン」の売却交渉が9月に破談に終わったほか、「ポンティアック」の廃止も決まっている。

 新興国メーカーは、インドのタタ・モーターズが08年に米フォード・モーターから英高級ブランド「ジャガー」と「ランドローバー」を買収するなど先進国の自動車ブランド買収の動きを加速させている。

 ハマー(Hummer)と言えば、そのむかしオーム真理教の幹部が乗っていた怪物車である。アメリカ軍の軍用車ハンヴィー(高機動多目的装輪車両、Humvee)の民生用車種でバカでかいので非常に目立つ車である。ハマーブランドは根強い人気があるものの、エコの時代に無縁の車と言えるのであるが、中国の金持ちが買ってしまったのである。


 しかし、中国製のハマーを誰が買うのであろうか・・。と思うのであるが、中国メディアも「ハマーは滅亡する運命の恐竜。中国自動車業界の未来と無関係だ」と酷評したようだ。まあ、こうは言っても安ければ売れるのも事実、高級志向でいくのか価格を抑えていくのか面白いところだ。