足利事件 「自分の人生を返してもらいたい」菅家さん会見

 17年半ぶりの自由をかみしめた。足利事件無期懲役が確定して服役していた菅家(すがや)利和さん(62)が釈放された。「本当にうれしい」。4日夕、支援者に見守られて会見に臨み笑顔を見せたが、警察と検察、そして裁判所には激しい怒りをぶつけた。

「自分の人生を返してもらいたい」


 この足利事件と言うのは1990年5月12日に、栃木県足利市内のパチンコ店の駐車場から女児(4歳)が行方不明になり、翌朝、近くの渡良瀬川の河川敷で遺体となって発見された事件。そして翌年の1991年12月2日に菅家利和さん(当時45歳)が逮捕され、決め手はDNA型の一致というものである。


 しかし、怖い話である。まったく関係ない人が、パチンコが好き、当時確立していないDNA鑑定で犯人にされてしまった。裁判員に選ばれる確率よりも犯人にされる確率の方が高いように思うのであるである。


 「刑事、検察官に謝ってほしい、自分の人生を返してもらいたい」と語るのはあたりまえ、ひどい事件である。


 そして、この事件は解決したわけでは無い。誤って逮捕した人が無実であったという事が分かっただけである。被害者の親は新たな苦しみを覚えなくてはならないし、18年の月日は多くの人の苦しみを増しただけであったのであろうか。