村上春樹新作メガヒット「1Q84」現象

 作家村上春樹さん(60)の5年ぶりの新作長編小説「1Q84(いちきゅうはちよん)」が、異様なハイペースで売れている。出版元の新潮社によると1日、4度目の増刷が行われ、5月29日の全国発売から4日で、2巻の累計部数が5刷77万部=(1)40万部(2)37万部=に達した。同社広報宣伝部でも「かなり特異なケース」とみており、このペースなら近日中に100万部の大台をスピード達成する可能性が高く、社会現象になりつつある。

 村上さんの新作ということに加え、発売前に内容が一切公開されず話題になった。同社ホームページでも、ジョージ・オーウェルの近未来小説「1984」に対し、逆の方向から84年を描いた「近過去小説」としか明かしていない。初版は2巻で38万部=(1)20万部(2)18万部=だったが予約が相次ぎ、発売前を含めて5月22、28、29日に1巻5万部ずつ10万部を増刷し、発売日ですでに4刷68万部を記録。1日も9万部と、連日の増刷で「予想をはるかに超えた」(同部)累計部数に達した。

 異例のペースは、同社が以前発売した村上作品と比べても分かる。02年9月発売の「海辺のカフカ」は、累計部数が上巻38万6000部、下巻35万2000部(いずれも単行本)。「海辺ー」が6年あまりかけて出した数を、「1Q84」は発売4日ですでに超えたことになる。

 同社は「固定ファンだけでなく、そうではない読者の方にも手を伸ばしてもらっている」と話す。5月30日には、都内の大手書店で(1)だけで725冊売れたデータがあるという。この日都心の書店をのぞくと、2巻とも売り切れか、売り場にあるのは(2)だけという店が多かった。活字不況といわれる昨今だが、久しぶりに単なるベストセラーの枠を超えた話題の本となりそうだ。


村上春樹氏といえばいつノーベル文学賞に選ばれるか、タイミングを待っているようなものだと思うのだが、別に他人事でどうでもよい事だ。


 彼の小説は登場人物の名前に特徴があり、あまり気を使わなくても頭に入り、よりいっそう話を面白くさせてくれる。この「1Q84」でも、青豆・天吾という主人公は色と形が頭の中で成長し、誰かとダブらせてくれるのである。いつも感じるのだが、時間の流れ方が他の小説と違うのだ、そこが好きであり、ちょっと書店で立ち読みも楽しい時間と思えるのである。


 しかし100万部まじかと聞くと、彼の人気はどうした事だろう。自分だけが好きだと思っていたのに、みんなが好きではちょっと残念であるような・・・。


1Q84 BOOK 1

1Q84 BOOK 1

1Q84 BOOK 2

1Q84 BOOK 2