豚インフルエンザ流行は深刻な状況−WHO事務局長

世界保健機関(WHO)のマーガレット・チャン事務局長は日本時間25日22:00過ぎからスイス・ジュネーブのWHO本部で記者会見し、豚インフルエンザ感染は急速に拡大していると述べた。発言の要旨は以下の通り〔共同・時事・NHK

豚インフルエンザ感染は急速に拡大している 流行は深刻な状況

・世界の他の地域で豚インフルエンザ感染が拡大する兆候はない 世界的な感染拡大になるかどうかは不明。
・各国に対し、監視態勢の強化を求める 渡航自粛勧告については緊急委員会で検討する
・警戒レベル変更の検討はまだ情報が十分にないため、判断するにはさらに数日はかかる

WHOは日本時間25日23:00から専門家による緊急委員会を開催し、今後の対応策を検討する。新型インフルエンザ警戒レベルを現在の3(人から人への感染はないか極めて限定されている)から4(人から人への感染が増加していることの証拠がある)に引き上げるかどうかも検討される模様。なお、河村建夫官房長官は25日午前の記者会見で、WHOがフェーズ4を宣言した場合には、麻生首相を本部長とする対策本部を設置すると述べている。


 『感染爆発(pandemic)』と言われる言葉がある。パンデミックは「フェーズ6」のことであり、感染範囲大で「人から人に感染する状態」である。この「フェーズ6」の感染爆発にいたらないように予防措置を行なっている。しかしながら、我々人類が経験した事の無いような毒性の強い新型インフルエンザウイルスが生まれればパンデミックは確実で、全世界で.3億人の被害が出ると警鐘を鳴らす科学者もいる。


 やたらとフェーズを上げればパニックになり、より大きな被害になる可能性があるからWHOは慎重である。現在、「フェーズ」は「3」である。「動物から人に感染する状態」から感染範囲小で「人から人に感染」に移行しているという判断は時間がかかるようだ。


 普通インフルエンザといえば、幼児や老人がかかりやすいのであるが、今回の「豚インフル」の感染者のほとんどが健康な若者と言われており、拡大性が心配されている。もし、「フェーズ」が「4」に引き上げられられれば、世界に拡大するのは1週間と言われている。この、「豚インフル」GW明けには日本上陸と言う最悪の状況も予想される。