タタ・ナノ(Tata Motors・Nano)

インドの自動車大手タタ・モーターズ(Tata Motors)は23日、世界で最も低価格の自動車「ナノ(Nano)」の発売を発表した。同社はナノで、数百万人の人びとの交通手段を激変させるとともに、世界的な金融危機による自動車業界の販売不振を打開したい構えだ。

 ムンバイ(Mumbai)の競技場で行われた発表会では、「国民車」と言われるナノ3台が発表された。タタによると、ナノのベーシックモデルは、工場直送の場合は税金・輸送費抜きで10万ルピー(約19万円)になるという。最低店頭価格は、11万2735ルピー(約21万6700円)になるという。

 販売担当者によると、4月9-25日に購入予約を受け付けるという。その後、購入申込者の中から抽選で10万人が最初の購入者になるという。納車は7月上旬から開始されるという。ナノについては、インドの富裕層からの注目も高いという。

 ナノは、全長約3メートルで、最高時速105キロ、2気筒エンジンの4速マニュアル・トランスミッション。エアコンやパワーウインドウ、パワーステアリングは標準装備していない。エアコンやパワステを装備したデラックスモデルもあり、工場直送の場合で17万335ルピー(約32万7000円)、店頭価格で18万5375ルピー(約35万6000円)だという。

 この車はインドの財閥「タタ・グループ」のタタ・モーターズ・リミテッド(Tata Motors Limited)が発表した車である。 623cc、全長x全幅x全高 3100mm x 1500mm x 1600mm で4人乗り。日本で言えば、「軽」枠のくるまである。日本で言えば、「三菱のアイ」やトヨタ iQ(アイキュー)をターゲットにおいた車である。

  • 三菱のアイが660cc、全長x全幅x全高 3395mm x 1475mm x 1600mm  4人乗り 最高グレード158、5万円。
  • トヨタ iQ(アイキュー)は 1000cc 全長x全幅x全高 2985mm x 1680mm x 1500mm  4人乗り 最高グレード160万円。


 価格だけを見れば日本のメーカーも真っ青になる車であるが、装備で言えば助手席側のミラーもなし、エアコンなし、ABSなし、ナビなんて程遠く、日本に上陸が難しそうな車である。


 もともと、インドにはスズキの子会社の作る「マルチ800」という車が20万ルピー(約38万円)で売られている。これを、基準に考えればタタ・ナノが10万ルピー(約19万円)と言うのは驚く値段ではない。

  • マルチ800 796cc 全長x全幅x全高 3335mm x 1440mm x 1405mm


 タタ・ナノが10万ルピー(約19万円)と言うのは衝撃的ではあるが、直ぐに日本上陸と言うわけではない。自動車業界、各社厳しい生き残り競争に入っているが、価格的に1石を投じた車である。


 軽自動車が国内で160万円(最高グレード)近くすると言うのは、消費者が考えても異常である。消費者が本当に欲しい車は、軽なら80万円位であろう。エアコン、ABS付きを条件にすれば、外装も内装も気にしない消費者は多いと信じる。


 半額セールならば飛ぶように売れるとおもうのだが・・・。