数学者の森毅さん(81才)・・・大やけど 

 27日午後1時10分ごろ、数学者で社会評論でも知られる京都大名誉教授の森毅さん(81)=京都府八幡市西山和気=から、「やけどをしたので来てほしい」と119番通報があった。救急車が森さんの自宅に駆けつけたところ、森さんは腕や胸、背中に大やけどを負っており、大阪府枚方市内の病院に運ばれた。意識ははっきりしていたという。

 八幡市消防本部などによると、森さんは1人でフライパンを使って昼食を作っていたといい、服にコンロの火が燃え移ったらしい。京都府警八幡署によると、体全体の30〜35%に重いやけどを負っているという。

 森さんの妻は数年前に東京都内の病院に入院しており、森さんは京都で一人暮らしをし、東京と行き来していた。

 森さんは、「ものぐさのすすめ」(筑摩書房)など著書も多く、教育分野での活発な発言で知られる。


 失礼な言い方かもしれないけど、まだご存命であったのかと彼のことを思い出してみた。


 1928年1月10日 生まれの81歳である。京大時代は名物教授の一人で自ら変人と称していた。1991年 63歳で京都大学退官、その後テレビでたまに目にしていたが、5年ほどまえから私の記憶から消えていたのは事実である。


教師というのは、半分は役人で、半分は芸人だと思うと書いてあったのを思い出す。点数をつける役人と、笑いで講義の確認をする自分と言う意味であるのだが、価値観が分かりやすく小難しい数学も、こんな教授から教わったのなら理解できるような気がしたものだ。また、確率論は賭博なんて事をまじめに考える事など、数学への切り口のおもしろさは身近な数学者として親近感を抱いたものだ。


 しかし、今回の事故は一人暮らしの中で、オムレツを作っていて衣服に燃え広がったようだ。21世紀の数学者であろうが、インテリ変人であろうが、81歳のご老人である、厚着をしていたのでは着衣に火が移ろうが直ぐにはわからないものである。数学的に解釈すると、どんな空間解析の話が出てくるのか楽しみな気はするが、早く回復して、毒舌を聞きたいと願っている。