中原中也賞に川上未映子さん

 第14回中原中也賞山口市主催)は14日、川上未映子さん(32)の詩集「先端で、さすわ さされるわ そらええわ」に決まった。賞金は100万円。授賞式は4月29日、山口市のホテルニュータナカで。
 川上さんは大阪市生まれで、昨年「乳(ちち)と卵(らん)」で第138回芥川賞を受賞している。


 中原 中也(なかはら ちゅうや、1907年4月29日 - 1937年10月22日)と言えば、山口県山口市湯田温泉生まれの詩人・歌人・翻訳家である。350篇以上もの詩を残し、1993年には山口県山口市湯田温泉中原中也記念館が建てられている。


 この中原中也賞は彼の業績を顕彰することを目的とし、新鮮な感覚を備えた優れた現代詩の詩集に対しこの賞を贈るというものだ。そして、今回受賞した川上未映子氏は大阪市出身の32歳の美女である。自称、文筆歌手と言い、小説家、詩人、ミュージシャン、女優という職業は誰にもまねの出来ない確固たる実績を積んでいる。おまけにオールナイトニッポンのパーソナリティーをしたりと才能は尽きないようだ。あれ、そういえばNTTコミュニュケーション所属のラクビー選手の川上利明氏は実の弟であるそうな。


 詩の話に戻すが「先端で、さすわ さされるわ そらええわ」理解するには難しそうな詩集である。ああなんで・・・・
 余談であるが、三重県名駅の下りホームに中也の記念碑がある。昭和10年8月、中也が山口県から妻子を連れて上京中、台風の影響で関西線回りで桑名駅の様子が描かれている。


桑名の駅  中原中也

 桑名の夜は暗かつた
 蛙がコロコロ鳴いてゐた
 夜更の駅には駅長が
 綺麗な砂利を敷き詰めた
 プラットホームに只独り
 ランプを持つて立つてゐた


 桑名の夜は暗かつた
 蛙がコロコロ泣いてゐた


 焼蛤貝(やきはまぐり)の桑名とは
 此処のことかと思つたから
 駅長さんに訊ねたら
 さうだと云つて笑つてた


 桑名の夜は暗かつた
 蛙がコロコロ鳴いてゐた
 大雨の、霽つた(あがつた)ばかりのその夜は
 風もなければ暗かつた




先端で、さすわさされるわそらええわ

先端で、さすわさされるわそらええわ