芥川賞に津村記久子さん
第140回芥川賞・直木賞(日本文学振興会主催)の選考会が15日夜、東京・築地の新喜楽で開かれ、芥川賞に津村記久子さん(30)の「ポトスライムの舟」(群像十一月号)、直木賞に天童荒太さん(48)の「悼む人」(文芸春秋)と山本兼一さん(52)の「利休にたずねよ」(PHP研究所)の2作が決まった。
副賞は各100万円。
芥川賞・直木賞は年2回あるから今回の受賞は2008年下半期ということになる。だからもう来たのかと結構受賞者が多いように思ってしまう。芥川賞はもともと純文学の新人に与えられる文学賞。直木賞は大衆小説の新人に与えられる文学賞となっているが天童荒太さんや山本兼一さんが新人とは思えない。どうも直木賞は無名・新進・中堅作家が対象だそうで、芥川賞が新人賞という位置づけである。純文学と大衆小説の差は良くわからない。
芥川賞候補
- 鹿島田真希(かしまだまき) 「女の庭」(文藝秋号)
- 墨谷 渉(すみたにわたる) 「潰玉 (かいぎょく)」(文學界12月号)
- 田中慎弥(たなかしんや) 「神様のいない日本シリーズ」(文學界10月号)
- 津村記久子<受賞>(つむらきくこ) 「ポトスライムの舟」(群像11月号)
- 山崎ナオコーラ(やまざきナオコーラ) 「手」(文學界12月号)
- 吉原清隆(よしはらきよたか) 「不正な処理」(すばる12月号)
直木賞候補
- 恩田 陸(おんだりく) 「きのうの世界」(講談社)
- 北 重人(きたしげと) 「汐のなごり」(徳間書店)
- 天童荒太<受賞>(てんどうあらた) 「悼む人」(文藝春秋)
- 葉室 麟(はむろりん) 「いのちなりけり」(文藝春秋)
- 道尾秀介(みちおしゅうすけ) 「カラスの親指」(講談社)
- 山本兼一<受賞>(やまもとけんいち) 「利休にたずねよ」(PHP研究所)
まあ、どうのこうの言っても3人が選ばれた。個人的に言えば、芥川賞候補の山崎ナオコーラ氏を注目していたのだが、残念であった。彼女は第28回野間文芸新人賞候補、第138回芥川賞候補、第30回野間文芸新人賞候補とそろそろと思っていたが予想がはずれてしまった。