愛知・長久手の籠城発砲、大林被告に無期懲役判決

　愛知県長久手町で昨年５月、警察官を含む４人が死傷した籠城(ろうじょう)・発砲事件で、殺人罪などに問われて死刑を求刑された元暴力団員大林久人被告（５２）の判決が１７日、名古屋地裁であった。

　伊藤納裁判長は、「短絡的で場当たり的な犯行で、治安や法秩序に挑戦し人を殺害するテロ行為と同視することはできない」として、大林被告に無期懲役を言い渡した。

　死亡した被害者が１人の殺人事件で、弁護側は極刑の回避を求め、同地裁の判断が注目されていた。

　判決は、殺意と責任能力の有無について判断。最初に現場に駆けつけ、下半身不随の重傷を負った県警愛知署の木本明史巡査部長（５５）への発砲は「至近距離から体の重要な部分を狙った」、木本巡査部長の救出活動中に死亡した県警特殊急襲部隊（ＳＡＴ）隊員林一歩(かずほ)警部（当時２３歳）については「取り囲んでいる多数の警察官に向けて拳銃を発射していて、誰かにあたって死亡することを認識していた」として、検察側の主張通り殺意を認定した。

　弁護側は「服用した薬の影響で、発砲の一部は心神耗弱状態だった」と主張していたが、判決は「警察官の突入を防ぐ目的で発砲するなど合理的に行動している」として退けた。

　判決によると、大林被告は元妻に復縁を迫ったが断られ、昨年５月１７日夕方、１１０番で駆け付けた木本巡査部長と、長男、次女に自宅敷地内で発砲し、重傷を負わせた。元妻を人質に籠城し、約５時間後、木本巡査部長の救出活動中の林警部を射殺。事件発生から約２９時間後に投降した。

　あの事件は2007年5月17日だそうな。もっと、以前の様な気がするが、日にちを聞くと1年半も経っているのかと改めて思い出すのである。日本中を震撼させたといってもいい元暴力団の大林久人被告（52）であるが、愛知署の木本明史巡査部長（55）ら3人を負傷させ、県警特殊急襲部隊（ＳＡＴ）隊員林一歩(かずほ)警部（当時23歳）を死亡させた。厳罰化叫ばれている中、SAT隊員の死亡者が１人だけの事件であるため、死刑を言い渡せるかどうかが注目であった。

　あの事件は、日本の警察の不甲斐なさを世界に示し、SIT,SAT隊員の個人判断が出来ない体質の組織のもろさを見た用な気がする。そんな事もあり、県警の判断ミスも露呈し、あの時殺して置けば憎しみはこんなに増大しないだろうと思うわけである。事件から1年半が経ち、無期懲役判決を聞くと改めて亡くなった林一歩氏の死は何だったのか改めて思うのである。