ドリームデザイナー:川崎 和男

川崎 和男(かわさき かずお、KAWASAKI Kazuo、1949年 - )はインダストリアルデザイン、プロダクトデザインを中心としたデザインディレクター、医学博士。 2008年現在、大阪大学大学院コミュニケーションデザイン・センター教授、 大阪大学医学部附属病院・未来医療センター教授(兼任)、工学研究科・フロンティア研究センター教授(兼任)(Kazuo KAWASAKI Progressive Inclusive Design Office)、名古屋市立大学名誉教授、多摩美術大学客員教授日本産業デザイン振興会理事。


 ご存知だろうか、左右両手利きでデザイナーであり、医学博士でもある、あの米共和党初の女性副大統領候補としてペイリン・アラスカ州知事(44)がはめているメガネ「MP704」をデザインした人である。「国民は彼女の目ではなく、メガネを見ている」と評し、今やマケイン氏からも煙たがれているが、メガネだけは注目を浴びているという。



 福井市にある増永眼鏡はアメリカから大量の注文を受け大忙しと言うが、重さ10グラム以下といい、かけている感じがしないというメガネは米政界セレブが愛用という。パウエル前国務長官ラムズフェルド前国防長官、ポールソン財務長官、シュワルツェネッガー知事、ヒラリー・クリントン上院議員など日本人でも知っている名前が並ぶ。さて値段だが、フレームが33600円(税込み)というから高くない。


 いやいや、メガネの宣伝ではない。このメガネをデザインした『川崎和男』氏のことである。彼は金沢美術工芸大を卒業後、東芝で音響機器のデザインを担当していたが、交通事故で脊髄を痛め車いす生活になり退社したという。その後生まれ育った伝統工芸越前刃物を通じ増永社長に会うことになる。川崎和男は心臓病も抱えているという境遇から人工心臓のデザイン他、医学にも貢献、47歳で博士号を取り、ダビンチのように眼球、神経、血管と良いメガネの追求に全力を注いだ。


 「デザイナーはわがままであると同時に、我を通す喧嘩(けんか)師でなければならない」という川崎氏、タワシから人口心臓まで全力でデザインする男だ。昔、NHKテレビ番組「課外授業ようこそ先輩」で現れたが、子供たちと対峙する姿も真剣だ。こんな面白い人間、そうは居ないのである。


川崎和男ブログ http://artgene.blog.ocn.ne.jp/kawasaki/


金沢21世紀美術館 「artificial heart:川崎和男展」 http://www.kanazawa21.jp/ja/04event/event_one.php?id=262


Kazuo Kawasaki Ph.D
http://www.masunaga-opt.co.jp/product/Kazuo_kawasaki/index.html