福井でサミット開幕・・・全国路面電車サミット

 路面電車を活用したまちづくりについて話し合う「全国路面電車サミット」が17日、福井市手寄1丁目のアオッサで始まった。路面電車のある町を会場に、93年からほぼ2年おきに開いている。今回、NPOなどでつくる福井の開催実行委員会が選んだテーマは、LRT(次世代型路面電車)の導入による車社会からの転換。19日までの3日間、講演やシンポジウムなどが開かれる。

 LRTは速度が速くて騒音が少なく、低床式でお年寄りや体の不自由な人も利用しやすいのが特徴。欧州で導入が進められ、県内でも検討されている。この日の講演では、国土交通省鉄道局の瓦林康人財務課長が、路面電車にLRTを導入したら利用者が増えた富山市の例を紹介。「路線を環状化させ、利便性を高めようとしている」とした。

 福井の1世帯あたりの自動車保有台数は1.751で全国一。郊外化が進み車なしで生活するのが難しく、鉄道利用は減少傾向にある半面、乗用車の登録台数は95年からの10年間で3割増加した。

 自動車利用を減らせれば二酸化炭素(CO2)の排出量も減らせる。「なんとかして自動車から鉄道にシフトできないか」とNPO法人「ふくい路面電車とまちづくりの会」がLRT導入に加えて期待するのが、えちぜん鉄道三国芦原線と路線の一部が路面を走る福井鉄道福武線の線路をつなげた相互乗り入れ構想だ。坂井市から福井市を抜けて越前市まで移動するのがぐんと便利になる。

 内田桂嗣実行委員長は「結節がうまくいけばLRTを利用した全国でも例のない長さの輸送サービスになる。サミットで欧州の先進事例をたくさんの人に知ってもらい、今後のまちづくりに生かせたら」と話す。

 18日は同市大手3丁目の繊協ビルで講演会があり、19日はアオッサでシンポジウムと東村新一・福井市長と国内で初めてLRTを導入した富山市の森雅志市長の公開対談などがある。




  「LRT」 はLight Rail Transitの略称である。これらは、1972年ごろにアメリカ連邦交通省都市大量輸送局( U.S. Urban Mass Transit Association:UMTA)によって制定された単語である。 これがなかなかかっこよく日本の町並みにもよく合う。特に富山で走っているポートラムは市街地を駆け抜けるという言葉がぴったりと決まっており、交差点を曲がる姿は圧巻であり、今までのちんちん電車のイメージを覆してくれる。こんな乗り物があちらこちらに出来れば、車を何台も持つ必要性はなくなるし、移動の手段も楽しく思えてくるのである。