文化祭で家庭用ガスボンベが爆発

 東京都豊島区の私立豊南高校で文化祭中にガスボンベが爆発した事故で、カセットこんろの上に大きな鉄板を置いて調理した際、内部のガスボンベに熱が伝わり爆発したとみられることが20日、分かった。同校が会見で明らかにした。
 負傷者は1人増え、計15人になったほか、男子生徒2人が重いやけどを負っていたことも判明。警視庁目白署が詳しい原因を調べている。
 同校によると、生徒らはカセットこんろ2台を並べた上に、鉄板を覆いかぶせるように置き、焼きそばを調理していた。鉄板を通じてガスボンベが加熱され、爆発した可能性があるという。
 同校は「管理が不徹底で申し訳ない」と謝罪した。

 


 家庭用カセットこんろの爆発事故は今までに度々起きているののだが、今度は高校の文化祭の模擬店で起こった。被害者は高校生と見学に来ていた中学1年生の合計15人の子供たちばかりである。普段から家事を手伝い火を使う事も多ければ、危険を察知できたかもしれないが、子供たちばかりでは起こるべくして起こった事故と言えよう。


 家庭用カセットこんろは非常に安価で使いやすい、携帯できる大きさで火力も大きいから便利である。大体ボンベは100度になると爆発すると言われているが、子供たちはまさか鉄板の下部に置いた、2台のカセットこんろがそんなに温度が上がっているとは思っていなかっただろう。学校側の管理責任が問われてもしょうがないと思われる。


 後は消防庁などの家庭用カセットこんろの危険に対する啓発活動も重要であろう。管理責任側の学校も危険を予知していなかったであろうし、他の高校でも同じ方法で使用していた例は多いであろう。便利で安価なものほど危険は潜んでいる、今回の経験を生かし2度と再発しないように啓蒙活動を大々的におこなって欲しい。


 メーカー側の責任も無いわけではない。価格の高い製品では、安全装置をつけたものも販売されている。安全機構としては、圧力感知安全装置(容器内の圧力が4〜6kgf/平方cmに上昇した時、自動的にガス通路を遮断)、ボンベ着脱安全機構、ボンベ誤装着防止機構、汁受け反転安全機構などがあるが、今回のような使い方で効果があったかは疑問である。まあ、家庭で使っていたボンベを持ち寄り使用したとなれば取り扱い説明書の注意事項も確認していないだろうから、問題も違う方向で大きい。まあ、PL法もあることだし、メーカーは予測していた事故なんだろう・・・。
 まずは子供たちの怪我が早く完治する事を祈るばかりだ。





余談:1991年にGood Design Award、2006年に同ロングライフデザイン賞を受賞のIwatani カセットコンロ 「AMORFO」 はなかなかかっこいい。