武蔵川新理事長(元横綱三重ノ海)、頑張れ!

 日本相撲協会のトップに立った武蔵川新理事長(60=元横綱三重ノ海)が9日、角界綱紀粛正の象徴として横綱朝青龍(27=高砂)の再教育を宣言した。場所や巡業で尊大な態度を取った場合などは、直接呼び出して警告、問題行動を起こした場合は、解雇処分とする方針を示した。北の湖前理事長(元横綱)は「土俵の充実」を強く唱えたが、新理事長は一連の不祥事の「再発防止」を最大のテーマに掲げた。

 不祥事再発防止への第1歩が「朝青龍再教育」だ。武蔵川新理事長はこの日、理事長室に報道陣を招き入れ、相次ぐ事件、騒動で信頼を失った角界の再建方針を披露。これまで数々の問題を起こしてきた朝青龍について「ちゃんとやってもらわないと、やめさせるしかない」と明言した。


 三重県出身で元横綱三重ノ海武蔵川親方(理事)が、何もしない北の湖理事長(元横綱北の湖)の後を継いで新理事長になった。現在横綱経験のある理事は武蔵川理事(元横綱三重ノ海)と九重理事(元横綱千代の富士)の2人だけで九重理事は今年2月の理事選で初選出だから、順番どおりの人事と言えるであろう。ちょっと前理事長より5歳年上と聞くと抵抗はあるが60歳ならば問題はあるまい。


 三重ノ海は苦労人でけいこの虫と言われた努力家である。三重県松阪市鎌田中学で体格を見込まれ柔道を始めた。その後父親が亡くなり、力士を志したが身長が少し足らなかった為断念。集団就職江戸川区のアルミ鋳物工場で働いたが、苛酷な環境に我慢できず、地元に戻った。
 その後、彼の相撲対する情熱は、再び出羽海部屋をおとずれ入門にこぎつけた。新弟子検査では身長が不足していたが何とか親方にごまかしてもらったというエピソードが今でも残る。彼の左耳は耳だこがあり、耳が変形しているのが分かるが、稽古の虫といわれるのも納得できる。


 新理事長といっても中卒の叩き上げの親方である。学歴に何の問題は無いのであるが、一つ一つの問題をきっちり片付け、付け上がる外国人力士たちにも堂々と苦言を呈していただきたい。腹をすえて、八百長疑惑の裁判や外国人力士の教育やドーピング導入といった新たな課題を解決し、地に落ちた角界を立て直し、是是非非をはっきり口に出し、手腕を発揮して欲しいのである。


 余談ではあるが、鶏がらベースの塩ちゃんこが売りの、ちゃんこ「三重ノ海」(深川)はおかみさんがやっているそうであるが、プロデュースがイマイチ、新理事長職一本でやれないのであろうか・・・。