レスリング女子55キロ級 吉田沙保里



 吉田沙保里(よしだ さおり、1982年10月5日 -25才 )は三重県津市(旧一志郡一志町)出身である。父親の栄勝さんは専修大学時代、フリースタイル57kg級の全日本選手権優勝者であるが、五輪出場を果たせなかったこともあり、五輪にかける思いは尋常ではない。現在三重県職員として高校の事務長という事であるが、沙保里が3歳の時から道場を開き後進の指導にも力を入れている。


 彼女は三重県立久居高等学校、中京女子大学卒業。綜合警備保障(ALSOK)所属である。2008年1月19日に中国の太原で開催された、女子ワールドカップ団体戦でマルシー・バンデュセン(アメリカ)に判定で敗れ、公式戦119連勝が途切れた。これをバネに五輪2連覇を難なく果たした。ALSOK村井社長は金メダル獲得の報酬として推定1000万円以上の報酬が支給されるそうだ。尚、三重県からは県民特別栄誉賞が贈られるなど、三重県に帰ってからも忙しい毎日が続くのであろう。


 しかし世界最強といわれるだけあって吉田は強かった。三重県民は北京五輪では津市出身の吉田沙保里と伊勢出身の野口みずきが金メダル候補として期待されていた。そして、吉田は今年1月無名のバンデュセンに敗退したことを乗越え五輪2連覇。そして野口は直前の怪我に泣き欠場。今日の女子マラソンではもう一人の走者土佐は怪我の為途中棄権であった。2人の明暗が分かれたのはきっと思いの強さと云った精神論では無く、確率の問題ではなのではなかろうかと思う。一寸した確率の悪戯に精神力がアンバランスになり立て直すことが出来ない。それが運なんだと思いたくなる。


 世界No.1になることは並大抵の事ではない。テレビの前に座って、選手たちの『運』を眺めるには面白いが、運を勝ち取る為の努力はテレビには映らないのである。きっと、吉田沙保里野口みずきも次の五輪で金メダルを取る為の努力をスタートさせているのであろう。