映画「ひゃくはち」


 8月9日より全国公開される映画に「ひゃくはち」がある。


 野球の名門として知られる京浜高校の補欠部員・雅人とノブは、甲子園のグラウンドを目指して毎日過酷な練習に励んでいた。しかし上級生が引退しても、彼らに与えられるのは雑用ばかり。そんな中、有望株の新入生が入部したことにより、2人は高校最後の甲子園のベンチを巡って争うことになり……。29歳の新鋭・森義隆監督が、補欠部員たちの奮闘を爽やかに描いた青春ドラマ。雅人役に映画初主演の斎藤嘉樹、ノブ役に「恋空」の中村蒼


 夏の全国高校野球選手権大会は、連日甲子園で熱戦が繰り広げられ、汗と涙の子供たちの姿を映し出してくれている。「ひゃくはち」というタイトルは変わっていて面白いのであるが、あの川崎のぼるの「巨人の星」の中で野球の硬球の縫い目の108に対し、除夜の鐘で打つ煩悩の数の108と同じであるという話をおもいだし、”ピン”ときたタイトルであった。


 原作は早見和真氏、そして 監督・脚本は新鋭森義隆氏がおこなう。 「ROOKIES ルーキーズ」はテレビドラマで人気をはくし、2009年春には東宝系で公開される事になっているが、この作品「ひゃくはち」の映画化はちょっと違うようである。勿論、原作がベストセラーで映画化なんていうのが常道であるらしいが、森義隆監督は原作の発売前に映画化を決めていた。多くの人がこの原作にほれ込み、常道でない道を選び、試合を支える応援団のように人が人を動かした。


 補欠部員の爽やかな青春ドラマと聞くと、何か自分を見つめている様な気がして、きっと一人で劇場に足を運ぶのであろうと思うのである。