3児死亡事故は道交法違反!?

福岡地裁301号法廷に

   「被告人を懲役7年6月に処する」

という、川口宰護裁判長の声が響いた。



 今回の事故では危険運転致死傷罪に基づく検察側の懲役25年の求刑に対し、危険運転致死傷罪と道交法違反(ひき逃げ)どちらに判決がされるかが注目された。2006年8月、幼児3人を失った大上夫妻の事を思うと元市職員今林大(ふとし)被告の人としての行動はあまりにも残酷である。両親の立場に立てば「仇討ち」をしてでも相手の命を奪うのが正論のように感じてしまうのであるが、司法の裁きは被害者に何の道理も示してくれなかった。幼児が亡くなるという同情が集まる中、厳罰は国民的要請と受け止めるのはあたり前の話である。あえてそれを考えても法に従った川口宰護裁判長の考え方は正しいのかもしれない。

 ハンムラビ法典の「目には目を歯には歯を」と言う言葉があるが、なにかわかりやすい。徳川300年のなかではぐくまれた、あだ討ちや喧嘩両成敗なんて言葉はもっとわかりやすい。私が両親の立場であれば、どんな強い相手であろうが、刃を(やいば)を相手に向け、返り討ちにあっても良いから対峙くらいはしたい。敗れても本望であると言いたいでないと、亡くなった我子になんと言い訳するのであろうか・・・。このままで行けば日本は法治国家とは言えなくなるだろうと予言してしまう。

命の価値がこんなに重要視されるけれども、裏腹に安っぽい時代も無いだろう。